"「お前は下がれ」白衣を脱いで5年、俺が社長令嬢を救った" 第4話
あのの患者の妹
「覚えています」
答えるまでに、喉がひどく乾いた。沢健太さん。俺が33歳だった、橘ヶ丘循環器病院で術を担当した患者だった。
「私の兄です。あの、母と緒に先の説を聞きました」
美咲さんは俺の返事を待った。窓際のベッドにいる彼女を見て、5の待がようやくなった。兄と同じ目元の女性が、母親の腕を支えていた。
「お兄さんを、救えませんでした」
俺は膝のでを揃えた。謝罪の言葉だけは、何度でもてきた。そのを話そうとすると、昔から胸が詰まった。
健太さんは31歳だった。術の説を終えた、妹には自分から話すと笑っていた。わかるまで説してもらったから、受けると決められた。その言葉を、俺は覚えている。
複雑な弁の術だった。術の拍を支えるために使った体式のペースメーカーに異常が起き、俺は代わりの器を求めた。いすのは、自分が何を叫んだかより、返事を待つも変わり続けたモニターの音だった。
「器の異常を調べてほしいと、病院に求めました。でも、最終報告は俺の判断が遅れたという内容になりました」
「私たちも、そう説されました」
美咲さんはファイルをいた。俺は目をそらさずに続けた。
「反論しました。現物を調べてほしいとも言いました。そのには、もう廃棄したと言われました」
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当の司だった酒井は、結果を受け入れろと言った。名を呼ばれるだけで、また責められる気がした。俺は退職届をし、この県の部にあるで働き始めた。
「病院を辞めた理由は、それです。免許を失ったからではありません。俺が、続けられなくなったんです」
美咲さんは、そうだったんですねと言った。慰めの言葉を急いでねなかった。
「私があの、先に案内をお願いしたのは、確かめたかったからです」
彼女は社内報の切り抜きをした。を紹介する記事に、検品台のにつ俺が写っている。さな説文に名も載っていた。
「数かから、弁護士にお願いして兄の件をもう度調べていました。そこで、病院の説とわない話がてきたんです。先にも聞きたいとっていたに、この記事を見つけました」
「最初から、っていたんですか」
「同じ方かもしれないとっていました。察のに、お話しするつもりでした」
倒れるの彼女が、俺の名を呼んだ声をいした。仕事の説が終わっても、何かを言いかけていた。
「でも、体調を崩してしまって。こんな形で先に頼ることになるとはいませんでした」
美咲さんはをみ、息をえた。俺は続きを急かさず、コップが台へ戻るのを待った。
「まだ、全部わかったわけではありません。
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先を責めたいんじゃない。でも、兄に何が起きたのかを、曖昧なままにしたくないんです」
俺は膝のの指を伸ばした。信じていますと言われるより、答えなければならないとじた。
「俺の判断も含めて、調べてください。都の悪い記録があれば、それも見ます。過から逃げるのは、もうやめます」
病をると、沢優郎社が廊で待っていた。美咲さんとの面会を終えてから、俺と話す予定だったという。
社は俺のでをげた。
「娘を助けてくださって、ありがとうございました」
その声を聞いて、俺もくをげた。息子を救えなかった相に礼を言うために、このも言葉を選んできたのだとった。
「健太のことも、改めて確かめたい。調べるための費用はこちらで用します。藤さん、参加していただけますか」
「はい。俺自が、りたいです」
社から渡された資料には、族が病院から受け取った説の写しがあった。
〈当該器は院内で廃棄済み。部への搬はっていない。〉
そのに、最寄せられた回答が添えられていた。器の保守を委託されていた別の会社からだった。
〈該当する器について、当社の返却記録を確認しました。〉