"失踪した妻を道の駅で見つけた――「来ないで」と怯えた理由" 第2話
普段使っていたクレジットカードもいていない。
携帯話だけがなくなっていたが、失踪した夜以、源は入っていなかった。
そして、あの便箋。
結は学代からを続けていた。
友への賀状も、幼稚園の連絡帳も、定規を使ったのかとうほどった字をく。
その彼女の文字が、便箋では震えていた。
特に、
《探さないでください。》
最の句点。
ボールペンをく押しつけたせいで、の表面がわずかに傷ついていた。
本が自由なでいたものには、どうしても見えなかった。
私はその便箋を持って岐阜の実へった。
娘が消えた。
何からないか。
緒に捜してほしい。
そう頼むつもりだった。
だが、宗郎は驚かなかった。
きな応接のソファにく腰を沈め、便箋を度だけ見ると、吐き捨てるように言った。
「男を作ってていった娘など、もう吉兼のではない」
「でも、こんなき方をするじゃありません」
「おが女を見る目を持っていなかっただけだ」
武志もで笑った。
「逃げられた責任をこっちに持ってこられても困るんですよ。妹は昔からに逆らってばかりだった。最まで迷惑をかける女だ」
私はを疑った。
実の娘。
実の妹。
半どころか、失踪した翌なのだ。
それなのに、2は捜そうとも、警察へ話を聞きにこうとも言わなかった。
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むしろ最初から、結は自分ので逃げたのだと決めていた。
そのから、私のにさな疑が残った。
だが証拠はない。
杏奈を守るためにも、用に宗郎たちを刺激するべきではないとった。
だから半、私は黙っていた。
義父に「無能」と呼ばれても。
武志に「女に逃げられた男」と笑われても。
そのたびに、のでだけ言い返した。
結は、そんなではない。
「パパ」
声に振り向くと、杏奈がうさぎのぬいぐるみを抱いてっていた。
「、おじいちゃんのおくの?」
「うん」
「ママは?」
胸が詰まった。
半。
杏奈は何度も同じことを聞いた。
最初の頃は毎晩泣いた。
幼稚園で母親の絵を描くには、帰宅してから黙り込んだ。
最では、泣かなくなった。
それが余計につらかった。
「ママ、も帰ってこない?」
私はしゃがみ、娘と目線をわせた。
「ママは今、くにいる」
「どこ?」
「パパにも、まだ分からない」
以は適当な嘘で誤魔化していた。
仕事だ。
くへっている。
そのうち帰る。
でも、もう杏奈も気づいている。
「でもね」
私は娘の髪を撫でた。
「パパは諦めてない」
「ママ探す?」
「ああ」
「絶対?」
「絶対だ」
杏奈はし考え、私の首に腕を回した。
「じゃあ杏奈も探す」
私は笑いながら、泣きそうになった。
その夜。
杏奈が眠ったあと、私は机の引きしをけた。
透なファイルに入れた、結の置きを取りす。
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半で、の端はし傷んでいた。
《探さないでください。》
その文を見つめる。
私は初めて、声にした。
「悪いけど、それだけは聞けないよ」
翌朝。
私と杏奈は、岐阜へ向けて発した。
速は朝から混雑していた。
お盆休み初。
サービスエリアへ入る列までできている。
杏奈は部座席のチャイルドシートに座り、窓のを流れる景を見ていた。
「パパ、あの、ソフトクリーム」
「本当だ」
「あっちは恐竜」
「どこが?」
「があるじゃん」
「パパには犬に見えるけどな」
「えー、全然違う」
久しぶりに娘が声をげて笑った。
私はバックミラー越しにその顔を見た。
結に似ている。
特に笑う、の角だけし先にがるところ。
そのたびに胸が痛んだが、今は議としだけ希望もあった。
岐阜へけば、もう度きちんと義父たちと話そう。
半黙っていたが、結の失踪について、本当に何もらないのか確認する。
なぜ娘が消えても捜そうとしなかったのか。
なぜあの、結の置きを見ても驚かなかったのか。
そう決めていた。
昼。
速をり、部へ入った。
両側のが次第にくなり、沿いの民も減っていく。
結の実までは、あと1ほど。
その、ろから声がした。
「パパ」
「ん?」
「喉乾いた」
「そうだな。そろそろ休もう」
ちょうど青い案内標識が見えた。
数キロ先に、さなの駅がある。
私はウインカーをした。
着いた所は、の駅というより昔のドライブインにかった。