"義母に通帳を渡さなかった妻" 第4話
その言葉で、私のの何かが切れた。
額ではなかった。
相談しなかったこと、母親に言われるまま弟へ送ったこと、そして何より、100万円を「そのくらい」と言える活を誰が支えてきたのか、蒼太がまるで分かっていなかったことだった。
結婚、蒼太の与は彼の希望でのローンと自分の遣い、保険、携帯代などへ充てていた。方、マンションの管理費、費、費、旅、冠婚葬祭、の買い替え、恵子への贈り物まで、活の半は私の収入からしている。
「蒼太、あなたの料で100万円貯めるのに何かかかる?」
「そういう言い方やめろよ」
「どうして? あなたが100万円くらいって言ったから聞いてるの」
「俺の稼ぎを馬鹿にしてるのか?」
また論点が変わった。
私は初めて、彼がずっと抱えていた劣等の輪郭を見た気がした。
「私は度もあなたの料を馬鹿にしたことなんてない。付きっていた頃から額はっていたし、それでもあなたと結婚したでしょう」
「だったら何なんだよ」
「私が問題にしているのは、相談なく夫婦のおをかしたことよ」
蒼太は黙った。
その横で恵子がを鳴らした。
「女がそんなに細かくおおって言うものじゃないわよ。夫をてるってことを覚えなさい」
私はゆっくりと恵子を見た。
「じゃあ、お義母さん」
「何?」
「から蒼太さんを全部ててください」
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恵子は怪訝な顔をした。
「夕飯も、お弁当も、洗濯も、計管理も、全部お願いします。私は仕事に集しますから」
「何を言ってるの。私は寄りなのよ」
「私もあなたの政婦じゃありません」
その夜から、私は本当に事をやめた。
正確には、自分の分だけするようにした。自分の洗濯物だけ洗い、自分がべるものだけ買い、仕事が遅いはで事を済ませた。
3目。
帰宅した蒼太が、何もないダイニングを見て「飯は?」と尋ねた。
私はその朝から、彼の荷物をまとめていた。
「そんなにお母さんが正しいなら、お母さんと暮らして」
蒼太は最初、ただった。
だが私はそこで、もう1枚の類を取りした。
「それと、これ」
テーブルへ置いたのはの取引履歴だった。100万円の送記録にはマーカーを引いてある。
「これについては返してもらうから」
「翼が返すよ」
「いつ?」
「そのうち」
「そのうちじゃ困るわ」
蒼太の顔が張った。
「お、婚でもするつもりなのか?」
初めて、その言葉がた。
私はし考えた。
昨までなら即座に否定していたかもしれない。
しかし今は違った。
「そうね」
自分でも驚くほど自然に、その言葉がからた。
「考えてもいいかもしれない」
蒼太の表が凍りついた。
その瞬、ゲストルームのドアが勢いよくいた。
で聞いていたらしい恵子が、真っ赤な顔でびしてきた。
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「婚ですって?」
私を指さすが震えていた。
「たかが計のことで、息子を捨てるっていうの?」
私は恵子を見た。
「たかが、ですか」
「そうよ。女は結婚したらのくらいするものよ」
私はその言葉を聞き、ようやく理解した。
このたちは、私がっている理由を最まで理解することはない。
理解する必もない。
「では、もうしません」
そう言って私はスマートフォンを取りした。
画面には、昼休みに調べておいた弁護士事務所の番号が表示されていた。
翌朝、私は学代の友から紹介された鈴弁護士の事務所を訪れた。40代半ばの女性弁護士で、事事件をく扱っているという。私は結婚の資産、共同活用座、100万円の送記録、恵子が作った「林のしい活ルール」まで、持っている資料を式持参した。
鈴弁護士は途でを挟まず、最まで聞いてくれた。私は話しているうち、自分がっていた以に疲れていることに気づいた。恵子が来たのはたった数なのに、そのから何も積みなっていた違が、彼女の登によって気に表面化したのだ。
「婚のは固いですか?」
「昨までは分かりませんでした」
私は正直に答えた。
「でも今は、戻ったところで同じことを繰り返す気がします」
「ご主が変わる能性は?」
私はし考えた。
付きっていた頃の蒼太は優しかった。私が残業すれば夜を届け、邪をひけば薬とスポーツドリンクを買って来てくれた。