"「他人の姉に使う金はない」夫と800万円の新居" 第15話
それは彼らが望むような、おの権利ではない。
彼らのを完全に終わらせるための、破滅の招待状だ。
そのの夜、私はに1で帰ると、夫の斎に再び入った。
ある通の分い封筒を取りす。
それは数に、私がこっそりと弁護士事務所へを運び、準備をめていたものだった。
封筒の表には『内容証郵便』という赤い文字が印字されている。
私はその類と、夫が引きした500万円の証拠、への振り込み履歴をバッグの奥にしまった。
暗いリビングで1、たいお茶をむ。
の順をので何度も確認した。
翌朝、夫は朝くからをた。
『母さんの入院続きがあるから』と嘘をつき、々としての待つ居の打ちわせへかけていった。
私はゆっくりと支度をえた。
きちんとした黒いスーツにを包む。
鏡のの私は、もう怯えて泣いているい妻ではない。
バッグのみが、私の背筋をピンと伸ばしてくれた。
計の針が午10を指した、私は静かにをた。
向かう先は義母のいる病ではない。
夫の嘘を根本から叩き潰すため、私はある第者と待ちわせをしていたのだ。
午10。
のい差しを避けるように、私は駅からしれた静かなビルに入った。
エレベーターで3階にがり、番奥のドアのにつ。
広告
そこには『法律事務所』というさな真鍮のプレートが掲げられていた。
ドアをけると、の効いた静かな空が広がっている。
「お待ちしていました、佐藤さん」
迎えてくれたのは、初老の落ち着いた男性、弁護士だった。
先は、私が数にこっそりと相談に訪れていた弁護士だ。
しかし私が今ここに来た理由は、夫の倫や婚の相談だけではない。
実は先は、私の姉が昔から世話になっている顧問弁護士でもあったのだ。
応接の柔らかいソファに座ると、先は分いファイルのから1つの古びた茶封筒を取りした。
「これは、お姉様の直子さんから半に預かっていたものです」
先は静かな声で言い、その封筒を私のに置いた。
「もし自分に万がのことがあり、識を失うような事態になったら、妹の由美さんにこれを渡してほしい。そう仰っていました」
私は息を呑み、震えるでその茶封筒を受け取った。
封をけると、から数枚の類とさながてきた。
には姉のあの優しい丸みを帯びた字で、こうかれていた。
『由美、これを読んでいるということは、私はもう自分ので話せない状態なのでしょう』
私はの文字を目で追った。
『ずっと隠していてごめんなさい。実は半、お医者様から臓の状態が良くないと言われていました』
姉は自分の命の期限がいことをずっとからっていたのだ。
広告
私に配をかけまいと、たった1で病と戦いながら万がの準備をめていたのだった。
『由美、あなたは昔から優しすぎるから。浩司さんやお義母さんにひどい扱いを受けているのではないかとずっと配していました』
を持つが震えた。
『もし私の財産を彼らが奪おうとするようなことがあれば、この封筒のを使ってください。あなたのは、あなただけのものです』
のに入っていたのは、1枚の古い領収だった。
付は5。
宛名は私の姉。
そして額は200万円。
但しきには『佐藤かず子様医療費寄付として』とはっきりと印字されていた。
病院が発した正式な領収の原本だ。
夫が『おの姉貴がせるわけがない』とで笑ったあの寄付の、決定な証拠だった。
さらにもう1枚の類があった。
それは公証役で作成された公正証遺言の写しだった。
そこには、姉のんでいる実のと建物、そして残されたわずかな預貯の全てを妹である佐藤由美単独で相続させるという、法な効力を持つ文言が記されていた。
夫の浩司や義母がどれだけ騒ぎてようと、1円たりともしができないように、姉は完璧な防壁を作ってくれていたのだ。
涙がポロポロと封筒のにこぼれ落ちた。
姉は自分のを覚悟しながら、最まで私を守ろうとしてくれていたのだ。