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"「他人の姉に使う金はない」夫と800万円の新居" 第13話

なりふり構わず座をして、私のスカートの裾を掴む夫。

つい数まで私をから追いそうと計画していた男の、何という見苦しい姿だろう。

私は夫のたく振り払った。

に使うはない」

私は夫を見ろした。

「そう言ったのはあなたですよ、浩司さん」

夫は顔をげ、すがるような目で私を見た。

「ち、違う!あれはおの姉貴の話だろ!」

夫は必に叫んだ。

「母さんはじゃない、俺の親だ!」

私はややかに答えた。

「私にとっても姉は親代わりです」

私はがった。

「あなたが私の族を見捨てたように、私もあなたの族を見捨てるだけです。何か違っていますか?」

私のたい言葉に、夫は絶望の表を浮かべた。

「それに、お義母さんの命を救う方法は実はもう1つだけあるんですよ」

私が静かにそう告げると、夫はハッと顔をげた。

「な、なんだ?教えてくれ!」

私は夫の目を見つめた。

「5、お義母さんの術費を匿名で寄付してくれた方がいましたよね」

私は続けた。

「あの方にもう度お願いしてみてはいかがですか?」

夫はポカンとけた。

「そんな無茶な……誰かも分からないのにどうやって頼むんだ」

私はバッグから、ある1枚の古い便箋を取りした。

それは5のあの、匿名で寄付緒に添えられていたのコピーだった。

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私はその便箋を夫の目のに静かに差しした。

「この跡、よく見てください」

夫は震えるで便箋を受け取り、文字に目を落とした。

そしてその顔が、今度こそ完全に蒼になった。

彼は気づいたのだ。

この見覚えのある丸みを帯びた優しい文字が。

お正に彼宛てに届く、私の姉からの賀状の跡と全く同じであることに。

夫の顔から、さっと血の気が引いた。

にした古い便箋が刻みに震えている。

「嘘だ。こんなの何かの違いだろう」

夫は乾いた唇を引きつらせ、私と便箋を交互に見比べた。

5、義母の術のために200万円を匿名で寄付してくれた恩

その跡が、自分がつい数に「に使うはない」と酷に切り捨てた私の姉のものだと気づいたのだ。

「あんな貧乏臭い独女に、200万円なんてせるわけがない」

夫は自分の母親の命の恩に向かって、まだそんな暴言を吐いた。

「お、俺を騙そうとしてるな!」

私はたい廊を見つめ、静かに答えた。

「姉は私が嫁ぎ先で肩の狭いいをしないようにと、自分の老のための貯を全て差ししてくれたんです」

私は夫を見据えた。

「あの、あなたががないとパニックになって泣きついたから」

夫は便箋をくしゃくしゃに握りつぶした。

事実を受け入れたくないというより、自分のさなプライドが許さないのだろう。

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消毒液の匂いが漂うたい廊で、夫はギリッと奥歯を噛みしめた。

しかし次の瞬、夫の顔に醜い欲のが浮かんだ。

「待てよ」

夫は目を見いた。

「あのに200万せたってことは、姉貴にはまだ隠し財産があるんじゃないのか」

私は自分のを疑った。

夫の目は異常なほどギラギラとっていた。

「今すぐ姉貴の通帳を確認してこい」

夫はな命令をした。

「どうせもうすぐぬんだろう。ならそのを母さんの術費に回せばいいじゃないか」

りよりも先に、呆れとい嫌悪が全を駆け巡った。

この男は狂っている。

自分はとの級マンションのために夫婦の貯500万円を勝に引きしておきながら。

の姉の財産まで、母親のために奪おうとしているのだ。

「お断りします」

私はたく拒絶した。

「姉のおは姉の治療費に使います」

私がきっぱりと言うと、夫は顔を真っ赤にして私を殴りつけようと腕を振りげた。

その、救急救命のドアがき、担当の護師がてきた。

「佐藤かず子さんのご族、識が戻られました」

護師の言葉に、夫のきが止まる。

般病棟の個へ移しますので、しだけ面会能です」

夫は振りげた腕をろした。

私を鋭く睨みつける。

で痛い目を見るぞ」

い声で捨て台を吐いて、に病へ向かった。

私も定の距を保ちながら、そのを静かに追った。

のベッドには、たくさんの点滴の管に繋がれた義母が横たわっていた。

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