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"「他人の姉に使う金はない」夫と800万円の新居" 第12話

夫は震える声で尋ねた。

「母は……母は丈夫なんですか?」

医師はカルテを見ながらゆっくりと首を振った。

「5術箇所とは別の部分で、血管の刻な詰まりが見つかりました」

医師は刻な顔で言葉を続けた。

「放置すれば命に関わります。直ちにカテーテル術と、その期入院が必です」

術。

夫は顔を覆い、膝から崩れ落ちそうになった。

「お願いします、先

夫は医師に懇願した。

「いくらかかってもいい。母を助けてください」

医師は淡々と答えた。

術自体は難度のものになります」

さらに付け加える。

「また、臓の能がしているため、リハビリを含めた期の個入院が必となります」

医師が提示した額は、5術費をはるかに回る300万円という額なものだった。

額療養費制度を利用しても、個代や特殊な医療器の費用がきくのしかかる。

「300万……」

夫は呆然とその数字を復唱した。

そしてすがるような目で私を振り返った。

「由美、うちの貯はいくら残ってる?」

夫は必な顔で私を見た。

「300万……せるよな?」

その言葉を聞いた瞬、私はで静かに笑った。

夫は自分が今何をしたのか完全に忘れているのだろうか。

あるいは私が本当に何もらないバカな妻だと、の底から見しているのだろうか。

私は無表のまま、夫をまっすぐに見つめ返した。

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「うちの貯ですか?」

私はわざと首を傾げた。

「昨私が確認したは、まだ300万ほど残っていたはずですが」

夫はパッと顔を輝かせた。

「そうか、よかった。それを使おう」

夫は医師に向かってげた。

「先、おなら用できます。すぐに術をお願いします」

医師が処置に戻った、夫は壁に寄りかかり、堵の息をく吐いた。

「よかった。あの300万があれば何とか母さんを助けられる」

夫は私に命令するように言った。

「由美、すぐにってろしてきてくれ」

私は静かに首を振った。

「それは無理ですよ、浩司さん」

夫は苛ちを隠さず、私を睨みつけた。

「なんだと?どうして無理なんだ?」

私は淡々と言葉を紡いだ。

「だって今の午に、あなたが全額引きしたじゃありませんか」

夫の顔から、みるみるうちに表が消えった。

私は続けた。

「夫婦の共座の残。今の午10、あなたが窓で全額引きして、残はゼロになっていますよね」

私は夫を見据えた。

「私はろせませんよ」

夫の目が驚愕で見かれた。

をパクパクとかすが、声がてこない。

私はバッグから、昼で受け取った過5分の取引細を取りした。

「先引きされた500万円。あれは産会社のですよね」

私は細を夫に見せた。

「そして今引きした300万円も、同じ産会社への振り込みではありませんか?」

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夫は私のにある細用を見て、幽霊でも見たかのようにずさりした。

「お……なんでそれを……」

私は言葉をねた。

「さらに3から、鈴彩佳という女性の座に毎5万円が振り込まれていますね」

私はたい線を送った。

「私にパートを増やさせておいて、そのおを養っていたんですか?」

私は細用を丁寧に畳み、再びバッグにしまった。

夫は完全に言葉を失い、壁に背を預けたままズルズルとに座り込んだ。

額からは量のや汗が流れ落ちている。

「由美、それは違うんだ」

夫は震える声で言い訳を始めた。

「あれは投資で……」

私は夫の言葉を遮った。

「投資?自分の妻の名を勝に偽造した婚届をき、と母親と3築マンションを買うことがですか?」

夫はビクッと肩を震わせ、今度こそ完全に黙り込んだ。

私がどこまでっているのか、その底れぬ恐怖をじているのが分かった。

「300万が必なら、その産会社からを返してもらうしかないですね」

私はややかに言い放った。

「でも契約を破棄すれば違約が発するでしょうし。さてどうするおつもりですか?」

私が静かに問いかけると、夫は突然私の元にすがりついてきた。

「由美、悪かった!俺が全部悪かった!」

夫は必に私のにすがりつく。

「だからおが持ってる独代の貯を貸してくれ!母さんがんでしまう!」

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