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"「他人の姉に使う金はない」夫と800万円の新居" 第8話

いつもなら義母は鍵を使って勝へ入ってくる。

しかし今はなぜかから必にドアをけようとしていた。

私が濡れたをタオルで拭き、玄関へ向かう。

今度はインターホンが何度も連続して鳴り響いた。

尋常ではない鳴らし方だ。

私はチェーンをかけたまま、そっとドアを数センチだけけた。

ドアの隙から顔をねじ込んできた義母は、異様なほど焦っていた。

「ちょっと、由美さん!いるんでしょ!けなさいよ!」

義母の目は血り、息は荒く乱れていた。

額には汗が浮かんでいる。

夫は会社にってから、自分の通帳をリビングのテーブルにしっぱなしにしたかもしれないと気づいたのだろう。

そして私にを見られるに回収しろと、義母に慌てて連絡したに違いない。

私はたいりを隠した。

わざと議そうな顔を作って見せる。

「お義母さん、どうしたんですか?鍵をお持ちでしょう」

義母は忌々しそうに顔をしかめた。

「鍵を持たずにてきちゃったのよ。そんなことはどうでもいいから!」

義母は唾をばしながら言葉を続けた。

「浩司の通帳!あの子が昨の夜忘れていったでしょう!」

義母はチェーンの隙から無理やり腕を伸ばし、私の肩を掴もうとした。

私は静かにがり、義母のを避けた。

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「通帳なら、昨夜のうちに浩司さんが鞄にしまったとっていましたが」

私が答えると、義母は激しく首を振った。

「嘘おっしゃい!あんたを見たんでしょう!」

義母の声が裏返った。

私が500万円の引きしに気づいていれば、自分たちの計画が全て台無しになってしまうからだ。

私は靴箱のを指差した。

「あ、こんなところにありました」

私は昨夜確認した、わざと目につく所に置いておいた通帳をに取った。

「お義母さん、これですか?」

義母はひったくるようにそれを受け取った。

そので荒々しくページをく。

のページを血った目で確認し、私を睨みつけた。

「あんた、を見たの?」

私は静な声で答えた。

「いえ、を見る理由もありませんから」

私は無表のまま淡々と続けた。

計のやりくりは私に任せると、いつも浩司さんが言っていますし」

私が答えると、義母は目に見えて堵の息を吐いた。

私が500万円の引きしに気づいていないと、完全に信じ込んだのだ。

義母の張っていた顔の筋肉が緩んだ。

いつもの見したような笑いが戻る。

「そう。まあ、あんたみたいなの鈍い嫁にはのおの管理なんて無理だものね」

義母は通帳を自分の級バッグにしまい込んだ。

「浩司も配性なんだから」

そのバッグも、指にはめられた派な指輪も、全て私たちが貯めたおで買ったものかもしれない。

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義母はたい線で私を見つめた。

そして、私のを最もくえぐるあの言を放ったのだ。

「そういえば、お姉さん入院したんですってね」

義母の声は、まるでの訃報を笑うかのような軽な響きだった。

「うちの浩司におの無なんかしないでちょうだいよ。全く」

義母は顔をしかめた。

「あちらの親族はこれだから困るわ」

私は黙ってドアの枠を握りしめた。

義母はさらに元を歪めて笑った。

「お姉さん、涯独だったんでしょう」

彼女は酷な言葉を紡ぐ。

「あんたを育てるためだけにきて、最は孤独に倒れるなんて惨めなね」

私の臓がドクンと嫌な音をてた。

義母は笑いを浮かべたまま言い放った。

「どうせ寄りもないんだから、きして迷惑をかけるより、さっさと逝ってくれた方がお互いのためじゃない」

その言が、私の胸の奥にたい刃物のように突き刺さった。

私の切な姉。

自分の青を犠牲にして私を育ててくれた親代わりの姉。

そして5、目の笑いを浮かべているこの義母の命を救うため、なけなしの貯を全て寄付してくれた恩

その姉の命を「さっさと逝ってくれた方がいい」と義母は吐き捨てたのだ。

私は枠を握るに限界まで力を込めた。

爪がくなり、枠がミシリと鳴った。

鳴りつけてやりたい。

の命を救ったのは誰だとっているのかと、今すぐ真実を叫んでやりたい。

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