みかん小説
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"5足の男物スリッパと偽装不倫の罠" 第2話

そのい疑問だけが、めたお茶のように喉の奥へへばりついて残った。

私は湯呑みをゆっくりと机のに戻した。

「お義母さんには関係のない類です」

のり子はでふっと見すように息をついた。

族に隠し事をするから話がこじれるのよ」

マリカは測るのを諦めたのか、巻き尺を鞄へ戻した。

マリカは帰る支度をしながら、スマートフォンを取りし、私の机の周辺の写真を勝に撮った。

私は顔をこわばらせた。

「何のためですか?」

マリカは画面から目をさずに答えた。

具を選ぶの参考にするだけ」

私は鋭い線を向けた。

「今すぐ写真を消してください」

マリカは画面を私に見せることなく、面倒くさそうに指をかした。

本当に写真を消したのかどうかは、私には分からなかった。

ただ、その引にスマートフォンを奪い取るようなことまではしなかった。

裕介は最になって、ようやく私の側にとうと努力してくれていた。

母親と妹がへ勝に来ることを、はっきりと注すると約束してくれていたのだ。

私はその約束を信じたい気持ちで、必に自分のを抑え込んでいた。

もしここで私が激しいをぶつければ、のり子はきっと周囲にこう言うだろう。

「嫁が族を壊した」

「嫁が息子を母親からざけた」

私はその悪ある言葉自体を恐れていたわけではない。

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裕介がまた曖昧な笑顔を浮かべ、母親と私のってオロオロする姿を見るのが、何よりも怖かったのだ。

玄関へ向かう途、のり子は居の壁を指でゆっくりとなぞった。

「この売れば、それなりになるでしょうね」

私は背筋を伸ばし、はっきりと答えた。

「売る予定はありません」

のり子は壁からし、肩をすくめた。

「そういう話ではなくて、価値をっておくのは事でしょう」

マリカが靴を履きながら、く笑った。

「私ならこんな狭い部より、広いところに建て替えるけど」

のり子は娘の言葉に満そうに頷いた。

まるでこのが、すでに自分たちのものになったような顔だった。

私は玄関の扉をきくけた。

「次からは、来るに連絡をください」

のり子はも、わざとらしくい鍵をで鳴らした。

「親が息子のへ来るのに許がいるの?」

私はいた扉の枠をく握りしめた。

「ここは私のでもあります」

初めてその言葉をはっきりとにした。

のり子の指がピタリと止まった。

マリカは驚いたように母親の顔を伺った。

それから、マリカはさくで笑った。

「だからお母さんは嫌なんだよ。兄さんのなのに、咲さんが自分のものみたいに言うから」

私が静かに扉を閉めたも、2音はしばらくから聞こえていた。

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私は玄関の鍵をかけ、さらにを入れて補助錠もろした。

夕方になって、裕介からスマートフォンに連絡が入った。

予定よりく仕事を終えたと、いメッセージがかれていた。

帰宅した彼は、仕事部に残った巻き尺の跡をすぐに見つけた。

細い擦り傷が、板を斜めにっていた。

裕介はにしゃがみ込み、声をくした。

「母さんたちが来たのか」

私は起きたことだけを、できるだけ静に伝えた。

を使うつもりでさを測ったこと。

鍵のかかった引きしをけようとしたこと。

の登記類の所をしつこく聞かれたこと。

裕介は私の話を遮ることなく聞き、途で言い訳をしなかった。

それだけで、以の彼とは違うと分かった。

裕介はがり、私をまっすぐに見つめた。

「俺から言う。この部は咲の仕事のために必だ」

私は首を横に振り、机の鍵を確かめながら言った。

「部だけの話ではない気がする」

裕介はしの、沈黙した。

の名義のことだよな」

彼もまた、のり子の執拗な線がどこへ向いていたのかに気づいていたのだ。

その事実が、私にはさな救いでもあり、同でもあった。

裕介はそので携帯話を取りし、母親へ話をかけた。

呼びし音が2度鳴り、のり子がた気配がした。

裕介は厳しい声をした。

「母さん、勝へ入るのはやめてくれ。マリカに仕事部を使わせる話もない」

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