"「子供3人は全員連れてけ」と言った夫へ" 第13話
しいプールバッグ
「写真で見たよ」
私が答えると、結は封筒からノートをした。表の角が丸くなっていた。自分でいた『おばあちゃんの血圧』という字を撫で、最初ではなく最のページをいた。
あの朝にいた謝罪の言葉が、机のにあった。結はそこへ指を置き、さな声で言った。
「けなくなったら、くがいなくなるとったの」
私は娘の隣へ座った。結はページの端を持ちげたり、戻したりしていた。
「私がかなくなったから、おばあちゃん、病院にったのかな」
「結のせいじゃないよ。おばあちゃんの体のことは、おばあちゃんとが、病院のに相談して考えることなの」
娘は黙っていた。すぐには納得できないのだろうとい、私はノートを閉じなかった。
「ママも、結がやってくれるからって、頼りすぎた。毎朝の係にしなくてもよかったんだよ」
「でも、最初は私がやるって言ったよ」
「うん。おばあちゃんを伝おうとったんだよね。それは嬉しかった。でも、最初にやるって言ったら、ずっとやめちゃいけないわけじゃない」
私はノートから娘の顔へ目をげた。
「うるさいって言われたも、ママが止めればよかった。結が嫌な気持ちになったまま続けなくてもよかったんだよ。ごめんね」
結は目を伏せ、ページのへ両を置いた。
広告
私は背にを添えたが、顔を覗き込むことはしなかった。
「じゃあ、もうかなくてもいい?」
「うん」
「病院にっても?」
「うん。結の担当には戻さない」
結はをすすり、袖で目元を拭いた。それから途のページをき、病院へ持っていったに挟んだままのを取りした。
「これ、おばあちゃんにあげる」
「ノートを?」
「うん。おばあちゃんの数字だから。でも、続きは私、かないよ」
私は頷いた。返すに言いたいことがあるか聞くと、結はし考えて、「しい帳に自分でいてね」と言った。
その言葉をいにして、娘が確認してからノートと緒に送った。謝る言葉は入れなかった。
週末、結と駅くのスイミングスクールへった。体験の申し込みをしたから、結は何度も持ち物を確かめていた。昔のプールバッグをしてみると、持ちのビニールがくなっていたので、自分で選んだしいものを持たせた。
更のには、塩素の匂いがしていた。結は入でを止め、バッグを胸に抱えた。
「さい子と同じところかもしれないって」
「初めは泳げるところから見てもらおう。困ったら先に言っていいよ」
名を呼ばれると、結は度こちらを見てから入っていった。私はガラス越しの見学席へ座った。
最初はのへ入るだけでがかかった。
広告
結は縁につかまり、隣の子を見ていた。先がそばへ来ると何か話し、それから顔をにつけた。
私は携帯を鞄にしまった。の用事を済ませながら待つこともできたが、今はあの子が顔をげるところを見逃したくなかった。
結は何度か試し、息を吐いて顔をげた。ガラスの方を探すように見たので、私はを振った。娘は片をしだけからした。
帰りには髪の先がまだ湿っていた。結はバッグを揺らして歩き、来週も同じ先かと聞いた。
「続けてみる?」
「うん。今度はもうし泳ぎたい」
へ戻ると、希が演奏会の案内をして待っていた。番のところに鉛で丸をつけてある。私は台所のカレンダーにをき込んだ。
その夜、取引先から連絡が入った。急ぎの案件について、資料の取りまとめに加え、休の説まで私に頼みたいという。
希望されたは、希の演奏会と同じだった。