"「子供3人は全員連れてけ」と言った夫へ" 第10話
3のうちの1
「おは男なんだから、父さんのところへ戻ってこい」
それが也の最初の言葉だったと、優馬は帰ってから教えてくれた。
私は優馬と緒に階へり、エントランスの奥で待っていた。声は届かなくても、2の姿が見える所だった。話をやめたくなったら戻っておいでと伝えると、優馬は頷いて父親の方へ歩いた。
也は自ドアの脇にっていた。優馬がづくと、私のいる方を度見たが、こちらへは来なかった。
「なんで俺だけ?」
優馬が聞くと、也は男だからだと繰り返したという。
「男同士の方が話しやすいだろ。ばあちゃんだって、男があれば助かる」
「何をするの」
「そんな難しいことじゃない。い物を運ぶとか、にいてやるとか。おなら病院の付き添いだってできるだろ」
優馬は、その説を最まで聞いた。それから父親に、今何をしていたかっているかと聞いた。
「勉だろ」
「うん。数学の記述を直してた。これから見てもらうところだった」
「それは向こうのでもできるじゃないか」
「病院には何にくの。学は? にいるのは、何曜?」
也は答えず、優馬の肩へを伸ばした。私は子からし腰を浮かせたが、優馬が半歩がったので、そのまま様子を見た。
「細かいことは、帰ってから考えればいいんだよ」
「俺が帰れば、母さんの代わりになるとってる?」
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也は首を振った。けれど、優馬がやることの説は、そこで止まったという。
「母さんがいないから俺を呼んで、俺がいなかったら希か結に頼むの?」
「族で助けうのが、そんなに嫌なのか」
「俺たちが困ってたは、何してくれたの」
也はをけ、すぐに閉じた。優馬は着のポケットに入れていたをした。指先がたくなっていたのだと、で言っていた。
「母さんが婚しようって言った、覚えてる?」
「覚えてるよ」
「子供3は全員連れてけって言ったよね。俺、本当にそれでいいのって聞いた」
也は返事をしなかった。
「父さんは、なんだそのの利き方はって言った。俺が何を聞いたかには答えなかった」
「あのは、売り言葉に買い言葉だったんだよ。おだって分かるだろ」
「分からないよ。だから、聞き直したんだ」
優馬は父親の顔を見たまま、あの夜の言葉をもう度にした。
「その言葉、忘れないでね」
也が目を伏せた。が入りするたびに自ドアがき、2はしずつ通の端へ寄っていた。
「脅したんじゃない。で、そんなつもりじゃなかったって言われるのが嫌だったんだ」
「父さんは、おたちを嫌いだなんて」
「でも、追いしたよ。俺もその3のうちの1だから」
也はポケットからの鍵をした。握り直し、またしまった。私にはそのきが見えていた。
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「母さんが戻れば、おだってもうし楽になるぞ」
「今の方が楽だよ」
優馬がそう答えた、也は顔をげたという。
「母さんの仕事部がなくなる配もしなくていい。希も結も、よりよく喋る。俺は今のに帰る」
そこで話は終わった。優馬はこちらへ歩いてきて、「こう」と言った。也は追ってこなかった。
部に戻った優馬は、着を脱ぐに台所へった。コップにを注いだが、すぐにはまなかった。希と結が居から顔をし、何も聞かずにソファの端を空けた。
優馬は私の隣へ座って、しずつ話した。父親に何を言われ、自分が何と答えたか。私は途で遮らずに聞いた。
「俺、ひどいこと言ったかな」
「戻らない理由を、自分で伝えたんでしょう」
優馬がコップの面を見た。
「もう、あのをどう回すか考えなくていい?」
「うん。あなたが代わりに引き受けることじゃないよ」
優馬はく息を吐いた。それからやっとをみ、鞄から数学のノートをした。
翌、浅井先から連絡があった。
「也さんが、計の表を作ったので恵美さんに見てほしいとおっしゃっています」