"251840円の正月料理を持ち去った義母" 第18話
2分だけの買い物
翌の1230、私たちは2で所のスーパーへ向かった。
入には蟹や数の子、すき焼き用の肉が並び、内には正の音楽が流れている。由はかごを持ったまま、無識に業務用の黒豆へを伸ばした。18分を作っていた頃なら、同じ袋を3つ買っていた品だ。
コートのポケットには、買い物リストの代わりに温泉宿の予約票が入っていた。までの由は、へ来るに売り順のい覧を作り、価格を比較しながら3く歩いていた。このはメモすらなく、気になった物をに取り、2で相談して戻すこともできる。
「そんなにべられるかな」
私が声をかけると、由は商品とさなかごを見比べ、困ったように笑った。
「癖って、なかなか抜けないね」
彼女は袋を棚へ戻し、2用のさなパックを選んだ。煮物も、刺も、越しそばも、必なのは2分だけでいい。誰の好みも、アレルギーも、産の数も確認する必はなかった。
鮮魚売りには、と同じ産の蟹が並んでいた。値札を見た由のが瞬止まる。母に指定され、4万9800円を払った品だった。
「べたい?」
「ううん。は、これを買わなければ正が失敗するとっていた。でも今見ると、私たちにはきすぎるね」
代わりに、さな蟹のほぐしをパックだけかごへ入れた。
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価な物をしたのではない。自分たちが本当にべたい量を、自分たちで選んだのである。
会計は1万2860円だった。の25万1840円と比べれば20分の1ほどしかない。それでも袋のには、由の好きな栗きんとんも、私が選んだしめの牛肉も入っている。りない物はなく、誰かに見せるための品もなかった。
レジをた由は、軽い買い物袋を度持ちげて笑った。は7箱を運ぶためにを2往復させ、帰宅してからも蔵庫へ収めるのに1以かかった。今回は私と由が袋ずつ持てば終わる。駐へ向かう取りまで、以とは違っていた。
帰宅すると、父から写真が届いた。卓には、父が予約した2用のおせちと雑煮が並んでいる。母は量がないと文句を言ったそうだが、父は「べる2で用するのが普通だ」と答えたという。
親族18も、今はそれぞれので正を迎えることになった。恵子伯母は最初から自分で料理を作り、ほかの親戚も持ち寄りやを選んだ。由がで働かなければ成しない集まりなら、続ける必はないと、皆がようやく気づいたのだ。
恵子伯母からは「帰ってきたら2でお茶をもう」と連絡が来た。数の席へ戻るのではなく、由が無理なく会える形を選んでくれたことが嬉しかった。
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由もすぐに、旅先のお産をつだけ買ってくると返した。
隆志はにを放し、通勤はへ変えた。麻子から計をすべて示するよう求められ、母から受け取った240万円についても、毎しずつ父へ返すことになった。私たちはその返済へをしていない。自分たちの収入ので責任を取ることが、彼らに必な最初の歩だった。
夕方、由は買ってきた品を蔵庫へ収めた。は7つの保箱で埋まっていた棚に、2分の材がゆったりと並ぶ。空いた所を見ても、もうそうな顔はしなかった。
「本当に、これだけでいいんだね」
「りなければ、そのに買えばいい。誰にも責められないよ」
由は9使ったノートを戸棚からした。だがくことはせず、しい旅案内のへ静かにしまう。材を減らして浮いたで、私たちは2泊3の温泉旅を予約していた。呂付きの部と正料理を含めても、2で9万8000円。の材代の半分にも届かない。
翌朝810分、私たちはさな旅鞄をつずつ持ってをた。由は玄関のしい鍵を掛け、ドアノブを度確かめる。
その表には、誰かが勝に入ってくるかもしれないという怯えは、もうなかった。