"251840円の正月料理を持ち去った義母" 第17話
父がで持ってきたもの
父が訪ねてきたのは、約束したの午3だった。
インターホンの画面には父しか映っていない。にはの封筒と、さな袋があった。私は由と顔を見わせてから扉をける。父はしい鍵へ度線を落としたが、そのことには触れず、玄関でくをげた。
「由さん、本当にすまなかった」
居へ通しても、父は座ろうとしなかった。
「久がしたことだけじゃない。俺は9、台所につ由さんを見ていた。のことも、隆志ばかりかばうことも、おかしいとったはあった。それでも反対すれば面倒になるとって、黙っていた」
由は返事を急がず、父のへ温かい茶を置いた。以なら「もう気にしていません」と相をさせていただろう。だがそのは、自分の気持ちを確かめるように、ゆっくりと言葉を選んだ。
「私は、お義父さんにも度くらい、“座ってべなさい”と言ってほしかったです」
「……そうだな」
「お義母さんがるのを止めてほしかったわけではありません。私が毎事を取れていないことを、誰かでも見てくれているといたかったんです」
父は子へ腰をろし、両で顔を覆った。謝罪を受け入れるかどうかより、その言葉を父が逃げずに聞けるかのほうが切だった。
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しばらくして顔をげた父は、「悪気はなかった」「昔からこうだった」と度も母をかばわなかった。
「見ていながら黙ることも、久を助けていた。今さらだが、ようやく分かった」
父は、正の夜に由がで洗い物をしている横を何度も通ったことまで話した。母から「伝わなくていい」と言われ、その言葉に甘えてかい座敷へ戻っていたという。何もしなかった記憶を自分のでつずつ認める父に、由は黙ってを傾けた。
「謝れば9が消えるとはっていない。これから俺がするべきことは、由さんに許してもらうためではなく、同じことを度と起こさないためだ」
それは父が初めて、謝罪と許しを交換条件にしなかった言葉だった。
父が持ってきたの封筒には、座の再発続きと送設定の変更を終えた類が入っていた。今はと活費を自分で確認し、医療費など本当にがただけ、私へ直接相談するという。
「久には、自分の預と計ので活するよう話した。隆志への送も終わりだ。あの2がを維持できないとしても、それは俺たちが埋める穴ではない」
母はまだ、自分が被害者だと言い張っているらしい。だが父は、親戚への説を由へ押しつけず、自分の言葉で訂正を続けていた。恵子伯母にも頼み、母が所へ同じ話を広げたは、そので事実を伝えているという。
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計についても、母からすべてを取りげたわけではなかった。父は活費を毎決まった額だけ共通の財布へ入れ、きな支は2で確認する形に変えた。母が自由に使える自分名義の預も残っている。ただし、誰かへ見栄を張るためのを、もう私たちへ請求することはできない。
「ただ、つ約束してほしい」
由が父を見た。
「これからお義母さんとので何か起きても、“直たちが折れれば収まる”とは考えないでください。私たちを仲直りの具にしないでほしいです」
「約束する。久が謝らない限り、会えとも許せとも言わない」
父は袋から、母が持っていた私たちのの古い鍵をもう1本取りした。玄関マットへ投げられた物とは別に、予備として保管されていたらしい。父はそれを卓へ置いた。
「のを探して見つけた。勝に持っていて、すまなかった。もうほかにはない」
古い鍵は2本そろったが、どちらもしい扉はけられない。私は父の目ので封筒へ入れ、処分すると伝えた。
帰り際、父は玄関でもう度、由へをげた。由は許したとは言わなかった。ただ、「今度来るも、先に連絡をください。お茶は用します」と答えた。
扉が閉まると、由はく息を吐いた。関係を元へ戻したのではない。しい距を、自分で決めたのだ。
「来の正は、どうしたい?」
私が尋ねると、由はし考えてから笑った。
「度でいいから、2分だけ買い物をしてみたい」