"251840円の正月料理を持ち去った義母" 第13話
族という名の請求
「兄貴。母さんへの6万円、元に戻してくれ。族が本当に困っているんだ」
隆志は玄関へ入るなり、当然のように求した。はえ込んでいたが、コートを脱ごうともせず、話が済めばすぐ帰るつもりらしい。麻子は夫から半歩れた所にち、険しい目で横顔を見ていた。
「困っているのは母さんたちか。それとも、毎4万円を受け取れなくなったおか」
「同じことだろ。俺が困れば母さんだって配する。族のでを回して、何が悪いんだよ」
私は2を居へ通し、取引細の写しを卓へ置いた。父の座番号などは消してあるが、私からの6万円と、その直に隆志へ送られた4万円は、60回分すべて確認できる。
麻子が細をに取り、付を追った。
「隆志。これが、あなたの言っていた宅当なの?」
「今はその話じゃないだろ」
「会社から毎4万円ているから、このでも丈夫だって言ったよね。結婚するから、ずっとお義母さんのおだったの?」
隆志は答えず、私へ矛先を戻した。のローンと駐代は、母から届く4万円を提に組んでいたという。だが、それがなくても活できないわけではない。を減らし、を収入に見うものへ替えれば済む話だった。
「兄貴には子どももいないし、共働きだろ。俺たちはこれから庭を作るんだ。
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余裕のある兄がしくらい支えてくれても――」
「由が何をしてきたか、おはろうとしたことがあるのか」
私は細の横へ、由の9分の支払額をいたを置いた。
「正料理だけで167万8000円。両親への援助は504万円。その部が、おへ240万円。俺たちに余裕があったのではなく、由が自分の分を削って穴を埋めていたんだ」
「でも、族なら助けうものだろ」
「助けを求めるなら、使いを話してをげる。それから、受け取った側も相が困ったにを貸す。おは父さんが入院した、度でも病院へ来たか。正の準備を由に任せきりにして、材まで持っていった、止めたか」
隆志のが止まった。5、父が3入院したも、病院への送迎と続きは私と由がった。隆志は仕事が忙しいと言い、見いにも来なかった。その同じにも4万円は振り込まれている。
麻子は初めて聞いたという顔で夫を見た。隆志が「母さんたちの面倒は兄貴が好きでやっている」と説していたことまで、そのでらかになった。
「俺は、族を切り捨てるとは言っていない。必な医療費は確認して払う。だが、おのやを支えるために、母さんへ6万円を戻すことはない」
廊で話を聞いていた由が、居へ入ってきた。隆志は気まずそうに線をそらしたが、彼女はまっすぐ弟を見た。
「族は、黙っておをさせてもいい相ではありません。私はもう、“族だから”という言葉だけではきません」
麻子は細を卓へ戻し、「私は聞いていなかった」とく言った。材を受け取った自分の責任は消えないが、夫が収入まで偽っていたことは別問題だと告げ、先に玄関へ向かう。隆志は慌てて追いかけたが、ていく直に振り返った。
「母さんがこのまま黙っているとうなよ。由さんが兄貴を操って、族を壊したって、みんな言ってるからな」
その、卓ので私たちのスマートフォンが同に震えた。
正に集まった18の親族LINEへ、母からい文章が届いていた。最初のには、こうかれていた。
『由さんに通帳を取りげられ、老の活費まで止められました』