"251840円の正月料理を持ち去った義母" 第9話
毎6万円の方
父のからた「毎6万円」という言葉に、親戚たちが再びざわめいた。
「正雄さん、それは何のおなの?」
恵子伯母に問われても、父はすぐには答えなかった。母は青ざめた顔で父の袖をつかみ、「今は関係ないでしょう」と押し殺した声で止める。しかし父はそのをし、私を見た。
「直。おは7から、毎25に6万円を振り込んでくれている。俺たちの活費と通院費を助けるために」
「ああ。そのことなら由もっている」
父が退職してもない頃、湯器の故障と入院費がなった。母から「だけでは急な費に耐えられない」と相談され、私は毎6万円の定額振込を設定した。最初は半のつもりだったが、母がを訴えるたびに延ばし、気づけば7が過ぎていた。
計を管理していた由は、度も反対しなかった。むしろ「お義父さんたちが困らないように」と、自分のや美容院の回数を減らしてまで、毎同じに残を確認していた。
6万円を送り始めた、私たちは古くなった蔵庫の買い替えを諦めた。翌には由が友の結婚式へ着ていくを調せず、持ちのワンピースを自分で直していた。両親を支えるためなら仕方がないと、2で納得して選んだつもりだった。だが、そのが別の用途に消えていたのなら、話はまったく違う。
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「でも母さんは、親戚には絶対に言うなと言っていた。援助を受けているとられるのが恥ずかしいから、と」
私がそう言うと、母はき直るように顎をげた。
「親が男に助けてもらって何が悪いの。あなたは隆志より収入がいし、由さんだって働いているでしょう」
「悪いとは言っていない。必だと信じて送っていた。父さんが“まだある”と言ったのは、どういうだ」
父は度ちがり、廊の奥へ消えた。戻ってきた、には使い込まれた通帳と、名の入ったい封筒があった。母がちふさがろうとしたが、恵子伯母が無言でそのに入る。
「正々、通帳まで持ちすなんてみっともない」と母は父を責めた。だが恵子伯母は、「みっともないのは細ではなく、説できないの使い方よ」と退かなかった。座敷の誰もが、空の箱ではなく父の封筒を見つめている。母が守ろうとしていた体面は、もうどこにも残っていなかった。
「これは俺名義の座だ。直の6万円も、俺のもここへ入る。管理はずっと久に任せていた」
父は通帳をいた。確かに、毎25に私の名義で6万円が記帳されている。84回、度も欠かさず続く同じ数字を見ていると、その裏で由が何をしてきたかまで、ずつ突きつけられるようだった。
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由は通帳をのぞき込み、途ので指を止めた。それは彼女が体調を崩して2週仕事を休んだだった。収入が減っても、両親への振込だけは崩さないよう、私たちは活座から分を移した。母はそのにも「今もありがとう」と話をくれたが、使いについては言も話さなかった。
「先、固定資産税を払ったはずなのに残がわなくてな。久に聞いても、物価ががったからだとしか言わない。それで2週、俺がへって、過の取引細をしてもらった」
父は封筒から数枚の細を取りした。最初の2、6万円は費や医療費の引き落としに使われている。だが5から、私の振込の翌になると、決まって4万円が別の座へ移されていた。
「久。もう隠せない」
父の指が、細に60回並んだ同じ名義を押さえた。
「この4万円は、毎、隆志へ渡していただ」