"251840円の正月料理を持ち去った義母" 第6話
25万1840円の領収
私はい封筒からい領収を取りし、座卓の央へ広げた。
「購入は1228から30。蟹、牛、刺、数の子、菓子、産。計25万1840円。支払ったカードの名義は佐伯由だ」
恵子伯母が老鏡を掛け、領収とカード細を見比べた。細かな品名を指で追ううちに、顔から正の笑みが消えていく。
蟹4万9800円、牛6万2400円、刺3万7600円。数字を読みげるたび、先ほどまで「くべたい」と騒いでいた親戚たちはを閉ざした。由の取りから考えれば、軽くせる額ではない。それでも彼女は、正を台なしにしたと言われるのが怖くて、必な品をつずつ買いしていた。
「久さん、これ、本当に全部由さんが払ったの?」
「度て替えてもらっただけよ。あとで返すつもりだったわ」
「返すつもりなら、どうして由さんの留守に持ちしたんだ」
私は持参したタブレットをて、玄関カメラの映像を再した。1642分、母が鍵で私たちのへ入る。父がの荷をけ、2で7つの保箱を運びす。1709分、母が鍵を掛けてへ戻るところまで、刻とともにはっきり残っていた。
座敷の空気が段えた。映像のの自分を見た父は、杯へ伸ばしかけたを引っ込めた。
由は画面を見つめたまま、膝ので両を組んでいた。昨、空になった蔵庫ので彼女は何度も「私が置き所を違えたのかもしれない」
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と言った。自分ので、自分が買った物を奪われても、まず自分を疑ったのである。その癖をつけさせた9をうと、私は母だけでなく、見過ごしてきた自分にも腹がった。
「正雄さんまで緒だったの?」
恵子伯母の問いに、父は答えなかった。
「母さんが頼むから、をしただけだ」
「妻のから25万円分の品を無断で運ぶのに、何もわなかったのか」
「族の物を族で分けただけだろう」
その言葉を聞き、由が静かに息をのんだ。私は鳴り返す代わりに、麻子が親族LINEへ投稿した写真を画面に映した。蟹も牛も刺も、すでに弟のの卓へ並んでいる。煮物容器には『隆志さん用・し甘め』という由の文字まで残っていた。
「母さんはこれを自分からの贈り物だと説し、ここにいる親戚には、由が別の料理を用すると約束した。だが由には、円も返していない」
「だから何なの。由さんは男の嫁でしょう。そのくらい融通を利かせても――」
私はICレコーダーの再ボタンを押した。
『由さんの煮物はだったから置いてきたけど、蟹と牛はばれたわ。あの子には今もう度買いにかせればいいのよ。どうせ自分から何とかするでしょう?』
数の母の声が、静まり返った座敷に瞭に流れた。
録音が終わっても、誰もすぐにはをかなかった。
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のが祝い箸の袋を揺らす音さえ聞こえる。母は唇を震わせ、私とレコーダーを交互に見た。
廊では、料理がてくるとっていた子どもたちがり回っていた。だが座敷のは誰も注しない。母の言葉は、材を持ちした事実以にはっきりと、由を便利な財布と労働力にしていた本を暴いていた。
「親子の会話を録音するなんて卑怯よ」
「卑怯なのは、留守に妻ので買った物を持ちり、また妻に払わせようとしただ」
恵子伯母は領収を座卓へ置き、い声で言った。
「久さん、これは“し分けた”では済まないわ。由さんが用した物を、勝に自分の贈り物にしたのよ」
母は追い詰められたようにスマートフォンをつかんだ。
「隆志たちは、私からの物だとっているわ。あの子たちに聞けば分かる!」
母は震える指で弟の番号を押し、私をにらんだ。
「いいわ。今ここで、隆志本に説してもらいます」