"義母ATM、全財産を失う" 第4話
差額の170万円はどこへ消えたのか」
座敷がを打ったように静まり返りました。
「その答えが、この払込細です。私が振り込んだ翌、母の座からちょうど170万円が、翔太の個座へそのまま送されています」
「なっ……!」
翔太の顔から血の気が引きました。
「さらに言えば、母さんが首に巻いているその真珠のネックレス。父の遺言で買ったとおっしゃいましたね」
私は母の部の引きしから撮した、内の宝飾の領収の拡写真を親戚たちのに滑らせました。
「付は先週の曜。宛名は母さん、額は98万円。但しきには『真珠ネックレス式』とはっきりかれています。父がくなっても経ってから、私の振り込んだ修繕積の部を使って購入されたものです」
「98万……!?」 「息子ので、そんなものを……?」
親戚たちの線が、先ほどまでの同から、底れぬ軽蔑へと変しました。 母を慰めていた叔母は、信じられないものを見る目で母からすっと距を取りました。
母は激しく揺し、両で首元の真珠を隠すように押さえました。
「ち、違うわよ! これは……翔太の借をて替えるために、どうしてもおが必で……! 男なんだから、弟の窮を救うのは当然でしょう!? 親のおをどう使おうと私の勝じゃないの!」
なりふり構わぬき直りに、親戚から「なんて浅ましい」
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「周忌の席で何を言っているんだ」と声ががり始めました。
完全に追い詰められたその、震えていた翔太が突然、狂ったように笑い声をあげました。
「……へっ、のことならいくらでも騒げばいいさ。でもな兄貴、このはもうあんたのものにはならないんだよ!」
翔太は懐から、つ折りにされた古びた用を引っ張りし、親戚同のに叩きつけました。
「見ろよ! 親父がにいた『産無償譲渡』だ! 親父の実印もちゃんと押してある! このと建物は、全部俺が無償で譲り受けることになってるんだよ! 兄貴がいくらを注ぎ込もうが、このからていくのはあんたたちの方だ!」
母もそれに呼応するように、顔を取り戻して叫びました。
「そうよ! お父さんは、来の悪い翔太を配して、このを翔太に遺すとお約束されたの! 男だからって偉そうに指図するんじゃないわよ!」
親戚たちがざわつき、修叔父さんの眉がく寄りました。
父の古い実印が押されたその類を見せつけ、母と翔太は勝ち誇った笑みを浮かべて私を睨みつけました。
しかし、私は微だにしませんでした。 ただ静かにスーツの内ポケットにを差し入れ、法務局の封印が施されたな茶封筒の触を確かめました。
「翔太、母さん。そのが本当に効だとっているんですか?」
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私のえ切った問いかけに、母の喉がヒュッとさく鳴りました。
座敷を満たしていた線の煙が、ぴたりと止まったようにじられました。
畳の広に集まった以の親戚同の線が、座にち尽くす弟の翔太と、その元に握りしめられた枚の片に集しています。
は黄く変し、つ折りの角が擦り切れていました。
そこに殴りきされた『産無償譲渡』の文字。
そして、末尾に朱肉で鮮に捺された、父が会社勤めの頃から使っていた古い文判の印。
翔太は肩で息をしながら、勝ち誇ったように唇の端を歪めていました。
「どうしたんだよ兄貴、声もないのか? 親父はな、男面して京へ逃げしたあんたなんかより、ずっと元に残って側にいた俺にこのを継がせたがってたんだよ。ここに実印があるだろ! 法律にも俺の勝ちだ!」
「そうよ、健」 母もすかさず、座布団から膝を乗りして加勢しました。首元の粒の真珠が、いやらしく揺れています。 「お父さんはね、病で最に私に言ったの。『翔太は領が悪いから、このとだけは何があってもあの子に残してやってくれ』って。お父さんの遺志なのよ! 男だからって、京でマンションを買って妻と贅沢に暮らしているあんたに、この田舎のを奪う権利なんて最初からないのよ!」
母の甲い声が、仏壇の箔に反響して障りに響き渡ります。