"「3人まとめて連れてけ」と年商1200万円の妻" 第18話
「おいつからそんな」
私は淡々と答えた。
「9からです」
かずやが呆然とした。
「9?」
私はく答えた。
「はい」
かずやはそれきり何も言わなかった。
私が浅井法律事務所のを叩いた9というのは、かずやが者面談の夜に「国落ちたら就職でもいいんじゃないか」と言ったそののことだ。
つまり私は、優馬のの話がなくてもいずれこのを迎えていた。
その夜、私は納戸で浅井先宛てのメモを作った。
翌週の1115の曜に、正式に依頼する約束になっていた。
戸にの気配がした。
優馬だった。
私が声をかけた。
「母さん」
「何?」
優馬がしうつむいた。
「さっきのごめん」
優馬は戸からかなかった。
私は微笑んだ。
「謝ることないよ」
優馬は気まずそうにした。
「らせたかもしれない」
私はメモのを止めた。
「ってたよ、あのは」
私はメモから顔をあげた。
「優馬、さっきのはどういうだったの?」
優馬はし考えてからこう答えた。
「は分父さんが自分で分かる」
私は静かに言った。
「そう」
優馬は廊の暗がりに半分入っていた。
「うん」
優馬は私を見据えて言った。
「俺が説したらがなくなるやつだから」
優馬は階段をがっていった。
その言葉のをるのは3ヶだった。
1115の曜、私は浅井法律事務所で正式に依頼の続きをした。
浅井千先は48歳で、事務所は駅ののビルの3階にある。
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待の棚に子供向けの絵本が並んでいた。
相談に来るが子供を連れてくるからだとで聞いた。
浅井先が静かに切りした。
「牧さん、まず順番を確認します」
先はいに4つの言葉をいた。
婚の、親権、財産分与、養育費。
浅井先がを指差した。
「決めておくべきことはこの4つです」
私は頷いた。
「はい」
浅井先はの2番目の言葉を丸で囲んだ。
「ただ、届けそのものに関わるのはの2つだけです。未成のお子さんがいる、どちらが親権者になるかはかないと婚届は窓で受け取ってもらえません。の2つは届けをしたでも決められます」
浅井先はペンを置いた。
「ですが、で揉めないように先に理しておきましょう」
私はペン先のきを目で追った。
浅井先が私を見た。
「主はどうするとわれますか?」
私は首を横に振った。
「分かりません」
私は正直に告げた。
「ただ、ご主が3を引き取ると言いしたはがかかります」
私は目を伏せた。
「言いすとはわなかった」
わないこと自体があの夜の言葉のさだった。
第1回の話しいは、126の曜に事務所の会議でわれた。
かずやは1で来た。
弁護士はつけていなかった。
スーツではなく休のジャンパーで来た。
このがもう続きなのだということが、まだ分かっていなかったのだとう。
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会議の壁には法律事務所の名が入った計がかかっていて、かずやはそれを何度も見ていた。
浅井先が類をえて言った。
「まず婚のごについてです」
浅井先の問いにかずやは即答した。
「婚はいいよ。俺も考えた」
浅井先が確認した。
「ではその点は双方のが致しているということでよろしいですね」
かずやは腕を組んだまま頷いた。
「ええ」
浅井先が次の項目にんだ。
「親権はいかがされますか?」
かずやはを置いてから答えた。
「あいつらが母親についてくって言ってんだからそれでいいだろ」
浅井先がを押した。
「3ともお母様ということでよろしいですか?」
かずやは類の方を見ていた。
「ああ」
その、かずやは1度も3の名を呼ばなかった。
あいつら、子供3。
浅井先が「優馬さん、ナツキさん、ゆいさん」と類を読みげるたびに、かずやはほんのしだけ反応が遅れた。
自分の子供の名を自分でにしていないの遅れ方だった。
浅井先が告げた。
「では養育費です」
その言葉でかずやの座り方が変わった。
かずやがはっきりと言った。
「俺払わないから」
かずやは子の背に体を預けた。
「1円も。あいつがてくって言いしたんだ。だったらあいつが全部やればいいだろう」
浅井先はペンを置いた。
「牧さん、養育費はお子さんの権利です。
ご両親のどちらかが方にゼロにできるものではありません」