"「3人まとめて連れてけ」と年商1200万円の妻" 第6話
優馬がはっきりと答えた。
「はい」
君島先は成績の推移が折れ線でかれたを指でなぞった。
「牧君は1のから1度もがっていません」
先は私を見て微笑んだ。
「こういう線を引ける子は学で数えるほどです」
優馬がまで赤くなっていた。
君島先は表を戻して言った。
「あとこれは事務な話ですが」
君島先はもう1枚のをした。
希望調査表だった。
「保護者の欄なんですけど、1のからずっとお母さんの字でして」
私はし戸惑った。
「はい」
君島先は机ので指を組んだ。
「今面談や願のことでご庭にお願いすることが増えます。お父様のご都がつく回もあると助かるのですが」
私はを見た。
1の1学期、1の2学期、2の1学期、3枚とも保護者氏名の欄に私の字がある。
押してある判子も私が保管している牧の文判だ。
私はから目をげて、さな声で言った。
「主は営業しておりまして」
言いながら自分の声が言い訳の形をしているのが分かった。
君島先は穏やかに頷いた。
「ええ、お忙しい方はいです」
先はそれ以は言わなかった。
君島先は最に優馬の方を見て笑った。
「牧、このの職員での質問。あれは2の質問じゃなかったぞ」
優馬がを掻いた。
「すみません」
君島先が声をてて笑った。
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「褒めてる」
優馬がを向いた。
私はその横顔を見ていた。
この子は学ではこういう顔しているのだとった。
では見たことのない顔だった。
面談は20分で終わった。
教をる、君島先が廊まで送りに来た。
君島先は私に向かって真剣な顔で言った。
「お母さん、牧は自分で全部決める子です。決めたことは変えません」
私は頷いた。
「はい」
君島先は優馬の背を見つめた。
「だから、周りが先に決めてしまわない方がいいといます」
そのは何のことか分からなかった。
分かったのはそのの夜だ。
廊を歩きながら優馬がを向いたまま言った。
「先結構言うんだよね。ってた?」
私は首を横に振った。
優馬は履きのかかとを揃えて棚に入れた。
私は優馬の隣で靴を履き替えた。
「ってはない。困ってはいたとう」
優馬は駄箱のでち止まって、私を見た。
「母さん、父さん、俺が何学受けるかってるとう?」
私は答えられなかった。
帰りののでも優馬は志望の話をしなかった。
代わりに翌の文化祭の準備が面倒だという話をした。
信号で止まった、助席の優馬がぽつりと言った。
「調査表さ、父さんの字でいてあったら分先も何も言わなかったんだよね」
私はハンドルを握り直した。
「そうかもね」
優馬が窓のへ顔を向けた。
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「じゃあ母さんが悪いみたいじゃん」
信号が青になった。
私はアクセルを踏んだ。
その通りだとったからだ。
その夜、夕飯の席で面談の話になった。
言わないという選択肢もあった。
でも言わなければ、かずやは永にらないままになる。
ナツキが唐揚げを箸で刺しながら尋ねた。
「優馬、判定よかったんだって?」
かずやは箸を止めずに適当に相槌を打った。
「へえ」
私は箸を置いた。
「先も、今の調子なら分狙えるって」
かずやが唐揚げをに運んだ。
「どこの学受けるんだっけ?」
優馬が顔をあげた。
私は湯呑みを置いて静かに答えた。
「2からずっと同じところ」
かずやは顔をしかめた。
「そんなの覚えてないよ。で、国なんだろ?」
優馬がく息を吐きして答えた。
「うん」
かずやは茶碗を置いて割り箸の袋を畳み始めた。
「国ならまだいいけどな。私になったらかかるだろう。滑り止めだって受験料いくらするとってるんだ」
私はかずやの顔を見た。
「その分は用してやります」
かずやが箸を置いた。
「余裕ってどこからすんだよ」
その質問には答えがある。
8分の答えが私の座にある。
でも私はそれを言わなかった。
言えばこのが別の話にすり替わるのが分かっていたからだ。
私は静かに返した。
「丈夫です」
かずやは湯呑みの茶を息でんで声を荒げた。
「丈夫って何だよ」
かずやはテーブルを軽く叩いた。
「あのなあ、俺が毎いくらこのに入れてるとってんだ。