"「3人まとめて連れてけ」と年商1200万円の妻" 第2話
ナツキは違う。
ナツキが廊をる音がして、台所に戻ってきた。
「ママ、体操のがない!」
私はため息をついた。
「なんで昨言ってくれないの?」
ナツキが声を張りげた。
「昨の夜言ったよ!」
私は首を横に振った。
「聞いてない」
ナツキはが達者で、そのくせ芯はい。
学2の女子というのは、母親にだけは容赦がないらしい。
夜、子供たちが寝てから私は納戸に入る。
3畳ほどの部に机とパソコンを置いて、そこが私の仕事になっている。
8からオンラインで経理の代をしている。
個事業の届けもした。
号はオフィス岡野。
岡野は私の旧姓だ。
仕事のはなものだ。
取引先から送られてくる領収と通帳の写しを見て帳簿をつける。
請求の発と入の消し込みをする。
ごとの資料をまとめて社へ渡す。
与計算のごしらえもする。
申告そのものは税理士の先の仕事だから、私はそのまでを引き受ける。
最初の取引先は佐原製作所という町だった。
8の4、に3万円の契約だった。
社の佐原達彦さんは今70歳になる。
当から面を段ボールに放り込んでおくようなで、初めて伺ったに私にをげた。
「これをなんとかしてくれんか」
私は頷いて仕事を引き受けた。
3ヶかけて片付けたら、社に笑顔で謝された。
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「決算のに胃が痛くならんようになった」
それが嬉しかった。
この号は、このの誰もにしたことがない。
かずやは号があること自体をらない。
ろうとしたことがないからだ。
たまに納戸のを通る、かずやは部を覗き込んで言う。
「またパソコンで遣い稼ぎか」
私は画面から目をさずに相槌を打つ。
「うん、まあ」
それで会話は終わる。
みよ子はもっとはっきりしている。
「そんな内職より洗濯やってちょうだいよ」
7、夫の父の竜吉がくなった。
享68だった。
葬儀の帰りのので、かずやがを向いたまま言った。
「母さん1じゃ配だから」
私は黙って頷いた。
義父を送ったばかりで断れる話ではなかった。
それに断る理由も見つからなかった。
それから7、みよ子の通院も買い物も、町内会の集の付きいも全部私がやっている。
1度だけかずやに頼んだことがある。
私はカレンダーを指差して頼んだ。
「曜の午、お母さんの病院なんだけど」
かずやはテレビから目をさずに答えた。
「無理だよ。俺は営業で回りしてるんだから」
私はいがった。
「取れないの?」
かずやは面倒くさそうに顔をしかめた。
「営業がそんなに簡単に休めるか」
私も会社員だ。
同じようにを使って、その度に部の誰かへ仕事を回してもらっている。
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でもそれはかずやのでは数に入っていない。
かずやには兄弟がいない。
みよ子の通院に付き添えるのは、平にを取れる私だけだ。
だから私がく。
それだけの話として7が過ぎた。
この朝が19続いた。
私はそれを当たりだとうことにしていた。
そうわないと続けられなかった。
3を学まですのにあと何かかるかは計算してある。
優馬が卒業するに、ゆいはまだだ。
そのまでこのので私が倒れないでいることが、1番確実な方法だった。
19が過ぎたこのに、この形は音をてて壊れる。
壊すきっかけを作ったのは、でもないかずやとみよ子だった。
みよ子の頼み事には順番がある。
朝1番は病院だ。
みよ子が私の背に声をかける。
「今週の曜、形の方予約しといて」
私はをかしながら答える。
「はい」
話をかけるのは私だ。
診察券の番号を控えてあるのも私で、次の予約表を財布に入れておくのも私だった。
昼は買い物になる。
みよ子が廊から声だけを寄こす。
「お豆腐がもうないのよ」
私はかける準備をしながら答える。
「帰りに買います」
夕方は庭のむしりになる。
「あのみっともないから抜いといてちょうだい」
夜は町内会だ。
「来週の集、あんたってきて。私はもうが痛いから」
薬がなくなれば薬局へる。
布団が湿ればベランダに干す。
の通が届けば、封を切って読みげる。
1つ1つはさい。
断る理由もない。