"年収400万円の総務担当と6000万円の顧問契約" 第14話
藤原さんは静かにため息をついた。
「私には証拠が必なのです。噂ではなく確固たる証拠が」
私は彼の図を理解した。
「私がその証拠を持っているとお考えですか?」
彼は推測を述べた。
「あなたは商事で12、購買部の窓を担当していた。取引先の評価も契約の背景調査もあなたがやっていたと聞く。もし渡辺が商事でも同じ過ちを繰り返しているとしたら……」
彼はそこから先は言わなかった。
私は、ある1つの来事をいしていた。
3ヶ、私が退職するしのことだ。
購買部が、しい事務用品の業者と契約した。
価格は以の業者より15%もかったが、購買課は品質が格段に向したからだと説していた。
当、私は何かがおかしいとじた。
だが私はただの総務担当だ。
私が調べたその会社の登記報によると、設から半も経っておらず、株主名簿には渡辺カイトの妻の名と文字違いのある女性の名が記載されていた。
私はその報を、問題リストの287項目目として記録した。
だが、それ以くは追及しなかった。
それは私の職務ではなかったからだ。
今、藤原さんが私の目のに座っている。
彼は静かに言った。
「佐藤さん、私はあなたに何か違法なことをして欲しいわけではありません。ただお聞きしたい。
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あなたの元に、何かがかりとなるような報はありませんか?」
私は彼を見つめた。
「藤原さん、もしあると申しげたら?」
彼は真剣な顔で言った。
「そのはどうか切に保管しておいてください。いずれ、それが役につが来るでしょう」
彼はちがり、1枚の名刺をテーブルに残した。
「佐藤さん、商事は私がで初めて投資した会社です。1の男によってそれが壊されていくのを、黙って見ているわけにはいかないのです」
彼がった、私はしばらくそのに座っていた。
私は争い事が好きなではない。
12、私はただ1つのことだけを考えてきた。
目のにある仕事を完璧にこなすこと。
しかし世のには、自分から関わろうとしなくても向こうからやってくる問題というものがある。
そして今、その問題が私の目のにあった。
私はスマホを取りし、さんにメッセージを送った。
『さん、調査をお願いしたい会社があります。商事という会社です』
すぐに返信が来た。
『しい会社ですか?どんな背景が?』
私は簡潔に打った。
『商事の購買リベートの企みの1つである能性があります』
さんは2分に変信してきた。
『この問題がきくなったら、あなたも無傷ではいられない。本当に関わるんですか?』
私はややかに文字を打った。
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『私から関わったんじゃない。向こうが私にをしてきたのよ』
さんの調査結果は3にた。
商事。
資本はわずか500万円。
代表取締役の名は、渡辺カイトの妻の従姉妹にあたる物だった。
この会社は設から5ヶしか経っておらず、取引先は商事ただ1社。
納品内容は事務用品やOA器の消耗品。
そして契約総額はで6800万円にもっていた。
商事がこの種の購買に費やしてきたの平均支額は、4200万円。
差額の2600万円はどこへ消えたのか?
私にそれを調べる必はなかった。
私はさんに言った。
「さん、この資料はあなたが預かっておいてください」
彼は驚いて尋ねた。
「あなたは使わないんですか?」
私は静に答えた。
「今はまだ。渡辺がもっときなミスを犯すのを待ちます」
彼は怪訝そうな顔をした。
「なぜ彼がもっときなミスを犯すと分かるんですか?」
私は断言した。
「1度を占めたは決して止まらないからです。ましてや彼は今、会社に自分の仲を続々と送り込んでいる。井が入社すれば、購買部の管理は今よりもっと杜撰になるでしょう」
案の定。
井が商事に入社して2週目、彼は速きな変更をった。
彼は効率化のためと称して、購買の承認プロセスを3段階から2段階へと簡略化したのだ。
そして削減されたその1段階とは、何を隠そう経理部による最終確認だった。
つまりこれ以、購買契約は経理部のチェックを経ずに、現の判断だけで締結されることになったのだ。