"独身だから介護しろ" 第3話
篤志へ話すると、「姉さんが根修理の見積もりに必だと言っていた」と答えた。印鑑証が根の見積もりに必な理由を尋ねても、兄は業者の都だろうと言うだけだった。
翌朝、私は父を役所へ連れていき、印鑑登録証の紛失を届けた。父は窓でうまく話せなかったが、職員は文字盤でを確認し、しい登録証の続きを説してくれた。失語症があるからといって、族が本の財産を自由に扱えるわけではない。
帰宅すると、志保が玄関で待っていた。私が勝に登録を止めたせいで、事の契約ができなくなったとった。
「見積と事内容を父さんに説したのか」
「今やらなければが傷むの。どうせ将来は私たちのものになるでしょう」
父は歩器につかまり、志保を見ていた。娘のから、自分がきているを将来の財産として語られるのを、黙って聞いていた。
その夜、岩崎から話が来た。翌のサービス調に、の事業所へ提された類が見つかったという。
「直さん。お父さまを族だけで介護することに、あなたが同した類があります。ですが署名の付は、あなたが張だったになっています」
私は話を握り直した。その張はホテルの記録にも残っている。私が署名できるはずのないに、族の誰かが私の名をいていた。
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翌、岩崎の事務所で同の写しを見た。族介護を優先し、部サービスは最限にすること、主介護者は次男の直とすること、費用管理は女の志保へ委任することがかれていた。
私の署名は見よく似ていたが、「直」の縦線の癖が違った。父の署名もあり、印鑑まで押されている。提は父がまだ入院で、私は札幌の系列ホテルへ応援にっていた。
「この類だけでサービスを止められるんですか」
岩崎は首を振った。これは以相談した事業所の内部確認で、法な財産委任状ではない。正式契約のに父の病状が変わり、現の事業所へ引き継がれたため、実際には使われていなかった。
ただし、族が私を主介護者として扱う根拠にはなっていた。志保が費用管理者となった経緯も、同じ期から調べる必がある。岩崎は父本へ改めて確認をうと約束した。
そのの夕方、父ので兄姉と話しった。篤志は類を初めて見たと言い、志保は私がで同したから代しただけだと認めた。
「いつ、俺が同した」
「病院で、できることはするって言ったでしょう」
私は確かにそう言った。だが、できる範囲で伝うという言葉を、退職して主介護者になる同へ変えた覚えはない。志保は細かい言葉尻だと吐き捨てた。
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父の署名について尋ねると、志保は本がいたと主張した。だが付の頃、父のは点滴で腫れ、訓練でも自分の名字を最までけなかった。父へ確認すると、「いいえ」を何度も指した。
篤志は、姉を責めても父の介護はまないと言った。その言葉だけなら正しい。しかし彼が求めた解決は、今回も私が仕事を辞めることだった。
「志保がを管理し、直が体を使う。それで均等だろう」
「何が均等なんだ。おは何をする」
兄は、の修繕業者や施設を探していると答えた。調べると、根事を請け負う予定の会社は、篤志の代の友が経営していた。見積額は百万円で、般な補修よりかなりい。
私は写真を撮り、別の社へ点検を依頼した。どちらも今すぐ全面事はで、樋と部の瓦の補修なら万円という診断だった。篤志は、い業者は信用できないと反論したが、なぜ友の会社だけが正しいのか説できなかった。
志保が鍵付き箱を持って帰ろうとしたので、父は歩器を箱のへ置いた。で文字盤の「ここ」を指し、次に「おく」を選んだ。自分の通帳を自分のに置きたいというはらかだった。
志保は泣きした。「私だけ悪者にするの? 入院、毎話を受けて、支払いも全部したのは私よ」
父のためにいたことまで嘘ではなかった。
救急搬送の、最初に病院へ駆けつけたのも志保だった。