"50件のSOSと愛人親子に回した救助車" 第15話
「はい」
武史が彼女を睨みつけた。
「幸恵。これはうちの族の問題だ。こんな所でに決めることじゃない」
会議の空気がく沈んだ。
幸恵はその初めて、真っ直ぐに武史を見つめ返した。
「勇気がんだのは、うちの族の問題だったわ」
その声はかったが、会議の隅々まで響き渡った。
「でも、救助用の両を勝にリゾートに送り付け、その費用を会社の接待費で処理した瞬から、もう族の問題なんかじゃない」
武史は歯をいしばった。
「両の件は説したはずだ。あそこも豪だったんだ」
幸恵はややかに応じた。
「ええ、だから資料を用したわ」
幸恵が田に目配せすると、会議のモニターにあのの両の移記録が映しされた。
午552分、部支援拠点にて待。
午617分、川武史専務の承認のもと、緊急移始。
午655分、軽井沢リゾート到着。
そのには、同じ帯にそのエリアで受け付けられた救助請の件数が、たい数字で表示されている。
武史の顔が張った。
幸恵は淡々と続けた。
「私たちの荘からの通報だけじゃなかったのよ」
監査委員が、追加の資料を回しながら説する。
「豪当、当該両は部の3つの集落と複数の孤世帯を支援するよう配されていました」
委員は厳しい線を武史に向けた。
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「突然のルート脱により、の両の線に混乱がじ、結果としていくつかの救助活に遅延が発しています」
彼は元の資料を置いた。
「直接の傷者がたという断定はできない。しかし、公益目で運営される財団の資産を、特定の個の便宜のためにかしたという事実は、誰の目にもらかでした」
武史が反論した。
「リゾートだってが封鎖される危険があったんだ。子供もいた」
監査委員が静かに尋ねた。
「現から救助請はされていましたか?」
武史は答えられない。
「リゾートの管理記録によれば、当該ヴィラは力、ともに正常に供されており、事や医療スタッフも配置済みでした。の般宿泊客は全員そのまま滞を続けています」
武史は今度は幸恵に向かって叫んだ。
「おがあんな所にいるとっていたら、こんなことにはならなかった」
幸恵の差しが、氷のようにたくなった。
「それが言い訳になるとってるの?らなかったから仕方ないって」
「そうだ。おはいつもそうだ」
幸恵は初めて声を荒げた。
「私がなぜ話したのかもらなかった。勇気がどれだけ寒さに震えていたのかもらなかった。あのが誰のためにそこにあるべきだったのかもらなかった」
彼女は武史を指差した。
「でもおかしいわね。
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あなたがりたくないことは、いつだってあなたの責任の側に追いやられるのよ」
武史は何も言い返せなかった。
その言は、彼がこの数自分自に繰り返してきた全ての言い訳を、端微に打ち砕いた。
田は次に、社内チャットと通話記録の保全データを提した。
モニターには、秘が武史に送った警告がそのまま映しされる。
『財団両は部の救助支援が最優先です。独断での移は記録に残ります』
そのには武史の返信があった。
『責任は俺が取る。よこせ』
続いてスマートフォンの通信記録。
幸恵が話をかけていた帯と、武史が両の移を指示した帯は、気なほどなっていた。
最に、秘の宣誓供述が読みげられた。
武史が幸恵からの連絡を切繋がないよう、『本に解決させろ』と指示したという内容だった。
武史はすぐさま秘の方を振り返った。
「おまで俺を売るのか」
秘の顔は青ざめていたが、線はそらさなかった。
「専務、私は事実をありのままに記録したまでです」
武史は鳴った。
「俺がおをどれだけ引きててやったとってるんだ」
「だからこそ、もっとく申しげるべきでした」
秘の声が震えた。
「あの両を送ってはならないと、もっとくお止めすべきでした。その点については、私にも責任の端があるとじています」
彼は武史を真っ直ぐに見た。
「しかし、私がしていない決定の責任まで、私が負うことはできません」