"50件のSOSと愛人親子に回した救助車" 第3話
彼には、臓に軽い先性の疾患があった。
激しい運や極度の寒さにさらされることは避けなければならなかった。
だが普段の活では、同代の子供と何ら変わりはなかった。
幸恵は助席に置いた荷物を確認した。
薬と携帯用の体温計、予備のバッテリー、さなブランケットまで、いつもよりめに準備していた。
荘に到着すると、庫には1台のがまっていた。
数ヶに武史の名義で登録された、輪駆のランドクルーザーだった。
元はと言えば、会である義父が族の全のためにと贈ってくれただった。
幸恵はスマートフォンの画面を操作した。
エンジンの状態を確認しようと、両管理アプリをいた。
その、見慣れない文が目にとまった。
『未成者資産保護及び族全アカウント』
そのには、勇気と自分の名が登録されていた。
彼女は、しに顧問弁護士の事務所でいくつかの類にサインしたことをいした。
あの、田弁護士は類を差ししながら説していた。
「会が、勇気君の資産に関して、直接の養育者である奥様の確認が必須だと仰っています」
幸恵はただ、孫の将来をう祖父の配慮なのだろうくらいにしか考えていなかった。
詳しく読む余裕も興もなかった。
彼女にとって何より切なのは、勇気が健康に育つこと。
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ただそれだけだったからだ。
勇気が庫のドアので叫んだ。
「ママ、おばあちゃんに僕が作ったカード見せるんだ」
幸恵は微笑んで息子のを握った。
「ええ、おばあちゃんきっと1番んでくれるわね」
だが午になると、状況は変した。
麓へとるが封鎖される能性があるという緊急速報メールが届いた。
はますますくなっていく。
幸恵は法事を簡単に済ませ、すぐに京へ戻ろうと荷物をまとめ始めた。
しかし、玄関のドアをけたには、すでに私が半分以に埋もれていた。
彼女は庫へり、ランドクルーザーのドアをけた。
運転席に座り、エンジンボタンを押した。
だが、計器パネルには赤い文字が表示された。
『緊急セキュリティ認証が必です』
期運転していなかったために、隔セキュリティが作していた。
最終登録者である武史のスマートフォンに認証コードが送信されるという案内が続いた。
幸恵はすぐにスマートフォンを取りし、彼に話をかけた。
呼びし音が3回鳴って、切れた。
彼女はもう1度ボタンを押した。
今度は1度だけ鳴って、すぐにぶつっと拒否された。
彼女は唇を噛みしめた。
「会議なの……」
背で、勇気がさく咳をした。
幸恵は振り返り、息子の額に触れた。
氷のようにたかった。
勇気は々しく尋ねた。
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「ママ、丈夫?」
幸恵は首を横に振った。
「寒くない?丈夫なわけないでしょう。に入ってなさい」
彼女は3度目の話をかけた。
繋がらない。
4度目、5度目も同じだった。
幸恵はメッセージをく打ち込んだ。
『勇気と荘に閉じ込められたの。の認証番号が必。急いでる。必ず連絡ちょうだい』
彼女は送信ボタンを押した。
まさにその瞬、荘の気が消えた。
その頃、リゾートでは荘とは正反対の景が広がっていた。
炉の炎が、広いリビングをかく照らしている。
テーブルには、リゾートのシェフが腕を振るった豪華なディナーが並んでいた。
窓のでが激しくなるのを見て、里奈はむしろ楽しそうにスマートフォンを構えた。
彼女は画面越しに笑いかけた。
「武史さんこっち向いて、蒼太と緒に写真撮ってあげる」
武史が息子の隣にとうとしたその瞬、彼のスマートフォンが鳴った。
画面に表示された名は、幸恵。
その文字を見た途端、里奈の微笑みがほんのわずかに消えた。
彼女は画面から目をさずに言った。
「なくていいの?」
その調は優しかったが、目は武史の反応を探っていた。
武史は通話を拒否するボタンを押した。
そして、スマホをテーブルに裏返して置いた。
彼は肩をすくめた。
「どうせまた、どこにいるんだとか勇気が会いたがってるとか、そんな話だろ」
彼は席に戻りながら続けた。
「でも勇気君のことなら……」