みかん小説
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"義父を八年看取った夜、手切れ金は三万円" 第7話

と法廷で喚きてるに決まっている。

資系製薬会社の経理統括として、社内の正や数字の綻びを酷に切り捨ててきた男だ。

あの男を、反論の余すら与えず、撃で社会の底引き網へと叩き落とすためには――。

絶対にかない、の『客観活の痕跡』が必だった。

私は仏の隅、仏壇のに隠しておいた古い布張りの裁縫箱の底に、遺言と裏座の通帳を滑り込ませた。

そして、靴を脱ぎ、素の裏でえ切った廊の板目を確かめながら、勝へと向かった。

の気温は、吐く息がくなるほどにがっていた。

裏庭の隅に置かれた、錆びだらけのトタン根の物置

鍵はかかっていない。 建て付けの悪いアルミの引き戸を、油の切れたレールが軋まないよう、数ミリずつ慎に引いた。

カビと埃の匂いが、暗からる。

ここは、源造が倒れるまで具や古聞を溜め込んでいた所だ。

私が探しているものは、その番奥。 みかん箱の段ボールに詰め込まれた、冊の学ノートだった。

スマートフォンの画面のかりを極限まで暗くし、元を照らす。

あった。

段ボールの表面には、私の跡でこうかれている。

『源造さん 々の記録』

。 私がも欠かさずにき綴ってきた、介護誌だった。

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最初の冊をに取る。 表は擦り切れ、ページをめくると、私の几帳面な文字がインクの滲みとともにびっしりと並んでいた。

【2018412】 ・朝6:00 体温36.4℃ 血圧132/84 ・腔ケア実施。角より量の血あり。膏塗布。 ・昼12:30 経管栄養(ラコール200ml)滴。所45分。 ・排便あり(普通便・200g程度)。オムツ交換、仙骨部に発赤確認。アズノール塗布。 ・夜21:00 痰の吸引実施(・粘性)。 ・修さん、張とのことで活費の残、1,240円。

これが、私ののすべてだった。

便の形状、痰の、体温、血圧、使用したガーゼの枚数、滴した流のロット番号。 そして、そのの支と、修の所

私は、もうつの証拠を確かめるために、掛けのポケットから源造の『裏座の通帳』を取りした。

をめくり、ページを用く照らす。

から続くの、磁気テープが擦り切れた古い通帳。 そこには、源造がかつて勤めげていた国鉄代の恩と、個が、偶数に正確に振り込まれていた。

回の支額は、およそ万円。

で、万円を超える額だ。

しかし。

その振込の翌、あるいは当。 必ず、ある決まった額がに引きされていた。

【2018415 ATM引 200,000円 武蔵野支】 【2018615 ATM引 200,000円 武蔵野支】 【2018815 ATM引 200,000円 武蔵野支

ページをめくっても、めくっても。

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にわたり、度、寸分狂わず引きされ続けた『万円』の記録。

武蔵野支

の実があるのは、神奈川県部の寂れた港町だ。 私の活圏からは、を乗り継いでもかかる所にある。

そして、修が「夜のカンファレンスがある」と言って借りげていた、会社の経費扱いのワンルームマンションがあるだった。

私は、介護誌の該当する付をいた。

【2018415】 ・夜23:15 源造さん、呼吸困難。吸引器の作良。 ・修さんの携帯へ14回着信入れるも、すべて留守番話。 ・夜1:00、自費でタクシーを呼び、夜救急へ搬送。 ・修さん翌朝帰宅。「な取締役会だった、庭の些細なことで話を鳴らすな」と激昂。活費の補填拒否。

胸の奥が、たいりで凍りついていくのが分かった。

源造が痰を詰まらせ、の淵を彷徨っていたその夜。

は武蔵野のATMで父親の恩から万円の札束を抜きし、あの女――美子の元へと通っていたのだ。

私は誌のページをめくり続けた。

美子という女が、この政婦のパートとして入りしていた期。

誌の余に、当の私が何気なくき残していたメモがあった。

美子さん、急な体調良とのことで本付で退職。ご主が退職当として現万円を渡しされる』

その付の翌

は、私にこう告げたのだ。

『もう妊治療はやめよう。おをこれ以傷つけたくないんだ。

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