"一度死んだ「秋田涼」と7歳の孤児" 第11話
」
その言葉に、俺は全が直した。
俺と同じ名。
しかもその子供はすでにこの世にはいない。
警察は父さんと母さんを利用したのだ。
残酷な計画の駒に仕てげた。
だが……父さんは穏やかな線を俺に向ける。
その瞳に宿る俺へのは疑うべくもない。
「だがな、おの顔を見た瞬、あの子が帰ってきたとったんだ。同じ名で、同じように穏やかな顔つきで俺たちのに現れた。しかも誕までい来た。俺たちにはそれが神様の采配としかえなくてな。」
父さんの目には涙が浮かんでいた。
母さんは未だに顔を覆っているが、その肩は激しく揺れている。
「俺たちは失った涼をもう度このの子にしたいと願った。そして何よりも、おに絶対に全で平穏なを与えたかったんだ。」
「だが、里親として俺を引き取ったとしても、戸籍は俺が施設から来た養子であることが記録に残る。それは、俺の過を追う者にとって追跡のがかりになる能性が残るということだ。俺たちが望んだのは、おを単なる養子として引き取ることじゃなかった。おを田でまれ育った田の本当の子として、世から完全に隔することだった。」
俺は顔をげた。
「じゃあ、実子にしたのは警察が考えた計画とかじゃなくて、俺たちのだ……?」
広告
「ただ、どうしてもあの子の誕を消すことだけはできなくてな。警察も俺たちのを組んでくれて、おの誕は記載しなかった。施設での記録と致させないためのカモフラージュにもなるだろうってを変えたのも同じ理由だ。もし追跡されてもすぐに特定されないように、警察と協力して偽装した。」
父さんは元町役の職員だった。
その脈と、事件の真相をる警察や児童相談所との連携によって、この特殊な元保護の計画が実されたのだ。
当のの協力で、俺は役の記録にを加えた。
そして、くなった涼の戸籍を利用して、おをこのでまれた子であるかのように戸籍を作り直したんだ。
俺のので全ての点と点が線で繋がっていく。
「実子」の記載、誕のずれ、の違い、記録の抹消、見つけた写真と母さんのごまかし、おぼろげな記憶のにある父さんのな言葉と警察官らしき物。
父さんと母さんは俺が平にきられるよう、法律をねじまげるほどの決で俺を守ろうとしてくれたのだ。
俺は父さんの顔と母さんの震える肩を交互に見つめた。
彼らは俺を族に迎えるためにしみを乗り越え、自分のをかけて秘密を守り続けてきたのだ。
父さんは俺の戸籍を作り直した理由を全て話し終えた。
広告
部には母さんのさなすすり泣きと、俺自の荒い息遣いだけが響いている。
父さんはテーブルに置かれた自分のきなのひらを見つめながら、静かに、しかし力く最の言葉を付け加えた。
「せめて、この子に平穏なを与えたい。それがあのの俺たちの願いだった。おが誰にも狙われることなく、田涼として、このの息子としてして暮らできるように。それが俺たちの親としての務めだと信じたんだ。」
父さんの言葉にはぺの曇りもない。
そこにあったのは、どんなを使ってでも1つの命を守り抜こうとした親の、純粋で恐ろしいほどのだった。
母さんが顔を覆っていたをろし、涙でぐしゃぐしゃになった顔でをく。
「あなたの名を聞いた瞬、あの子があなたという形になって私たちの元に帰ってきてくれたのだとったの。だけどね、緒に過ごしていくうちにあなたとあの子は別だと分かった。似ているところもたくさんあるけど、違うところもたくさんある。それでもね、あの子もあなたも私たちの切な息子。私たちの涼であることに変わりはないの。何にも巻き込まれることなく、平穏な毎をきて欲しかったのよ……」
俺はもう耐えられなかった。
目のにいるこの老夫婦が、自分のき子のしみを乗り越え、自分のをかけて秘密を守り続け、犯罪の報復から俺を隠し、俺に族と全というこのない贈り物を与えてくれていた。