"一度死んだ「秋田涼」と7歳の孤児" 第2話
その横にはいくつかの欄が設けられている。
、、そして続きにかれた事項に俺の目が釘付けになった。
俺はグラスを持ったまま、そのでぴたりときを止めた。
俺は何度も何度も、その「実子」という2文字を見つめ直した。
俺は7歳のに父さんと母さんに里親制度で引き取られた。
つまり俺は養子であり、それは揺るぎない事実のはずだ。
戸籍には養子と記載されるか、そうでなくとも養子縁組に関する何らかの注記があるとっていた。
しかし、そこに記されていたのは確な「実子」という文字だった。
もしかして、養子の続きをすると実子として登録し直すものなのだろうか。
そんな疑問がに浮かんだ。
もし養子を実子として戸籍に記載するのが般な続きであるなら、それはそれで点がいく。
しかし、俺が抱いた違はそれだけにとどまらなかった。
俺は戸籍謄本に記載されている自分のとの欄に、再度線を戻す。
もも、俺のっている報とは確に異なっているのだ。
俺が育った施設があった所は、戸籍謄本に記載されているではない。
いことはいが、その隣町だったはずだ。
さらに、俺が施設でらされていた誕は1212だった。
だが、記載されているのは1214だった。
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と誕が違う。
しかも、俺は養子であるはずなのに「実子」とかれている。
ほんのさな疑問が、俺のにな波紋を広げ始めた。
俺はを抱えて唸り声を漏らす。
この戸籍謄本に記載されている田涼は、本当に俺自のことを指しているのだろうか。
俺が考え込んでいる様子に気づいたのか、寝からなおの声がした。
「どうかしたの?」
突然の問いかけに、俺はハッとに帰る。
こんなな顔をなおに見せるのは、絶対に避けたかった。
せっかくの幸せな雰囲気を、俺の過の確かなことで台無しにしたくはない。
俺はすぐに作り笑いを浮かべ、戸籍謄本をクリアファイルに戻しながらちがった。
「ああ、ごめん。ちょっとね、類にミスがないかまた確認しちゃった。」
俺はしぎこちなく笑ってみせた。
なおは首をかしげながら、穏やかに微笑んだ。
「問題ないよ、緊張してるんだね。」
その顔を見て、俺のに広がっていた波紋は旦静かに収まっていった。
「うん、まあちょっとね。」
俺はそう言って、このさな疑問をなおには配させないように無理やりごまかした。
しかし、戸籍謄本に記された「実子」という文字は、俺の胸の奥くにさな疑問の種として残り続けたのだった。
週末がけて、俺はいつものように都の会社へ向かうに乗っていた。
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実である田の古い軒に戻ってきてから、まだ数しか経っていない。
役所の続きのため、しばらく実から通うことにしていたのだ。
田の朝はいつだって静かで穏やかである。
朝、俺が目を覚ますとまず聞こえてくるのは、庭の向こうから聞こえるシャキシャキという剪定バサミの音だった。
78歳になる父さんが庭の盆栽の入れをしている音だ。
父さんは寡黙で器用な職のようなだが、先は非常に器用で、退職は自宅の庭いじりをきがいにとりくんでいる。
リビングのドアをけると、母さんのるい声がび込んできた。
「涼、おはよう。ご飯もすぐできるからね。」
リビングから漂う噌のりと共に、母さんの声が届く。
75歳になった母さんはいつまでも朗らかで、俺をいつも優しく包み込んでくれる太陽のようなだ。
卓には必ず具だくさんの噌汁と、母さんが漬けたりのいいぬか漬けが並ぶ。
父さんは無言で聞を読みながらいお茶をすり、母さんは「あんまり帰りは遅くならないようにね」と、まるで子供に言い聞かせるように俺の健康を気遣う言葉をかける。
この平凡で、しかし温かい常。
この景こそが、俺が7歳のにに入れた何者にも替えがたい絆だった。
昨夜の戸籍謄本の件を、この卓で切りそうか。
俺は箸を止めて、母さんの顔を見つめた。
「ねえ、母さん。俺のって……」
しかし、言いかけて俺は慌ててを閉じた。