"4回の救急着信と1ヶ月後の離婚宣告" 第17話
みおの唇がいた。まだ声はない。尚弥はすぐ制した。
「話さなくていい。今は……」
みおはをしかした。尚弥が反射に握ろうとしたそのにみおが引いた。ほんの数センチだった。でも尚弥には分かった。触られたくない。尚弥のが止まった。
「みお……」
今度は返事があった。
「……なおや」
1ヶぶりに聞いた声だった。くかすれていた。それでも呼び方はっきりしていた。尚弥はへを寄せた。
「うん……」
みおはし息をえた。尚弥が言った。
「もう1度だけ俺にやり直させてくれ」
みおは尚弥を見た。
「さやとは終わった。もう会わない。んでた部の費用も全部契約通りに終わらせてる」
みおは黙っていた。
「会社も必なことは川と専務に任せた。俺は……」
みおがさく首を振った。尚弥はを止めた。
「違う……」
みおはし目を閉じた。またく。それは……。声が途切れた。尚弥は待った。
「私に言うことじゃない」
顔が固くなった。みおはもう度息を吸った。
「さやさんとどうするかも……く休む、会社をどうするかも……」
「みお……」
「あなたのことだから……」
へた。
「でも俺たちのことは……」
みおは尚弥を見た。その目だけで尚弥の言葉が止まった。しばらくしてみおが言った。
「なおや」
「うん」
「婚しましょう」
尚弥はかなかった。聞こえなかったわけではない。も分かった。それでももう度聞き返した。
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「……何て?」
みおは繰り返さなかった。尚弥の声が震えた。
「みお、待ってくれ……!」
みおは目を閉じた。
「俺が悪かった。全部俺が悪かった……!」
返事はない。
「もう1回だけでいい、やり直させてくれ……!」
みおがゆっくり目をけた。
「3あったよ」
尚弥のが止まった。みおはそれ以責めなかった。
「今は疲れた……」
尚弥は何も言えなくなった。からく話させるなと言われていた。それを理由にここで引くしかなかった。尚弥はちがった。
「分かった。今はもう話さない」
みおは目を閉じた。
「でも……」
言いかけて止めた。今何を約束しても自分が楽になるための言葉にしかならない。
「休んで」
それだけ言った。病をるは1度振り返った。みおはもう目を閉じていていた。結婚指輪は病院から返された袋のに入ったままだった。尚弥のには自分の指輪が残っている。その違いを見てもう1度声をかけることはできなかった。
扉を静かに閉めた。病のではモニターが定の音を刻んでいた。スマートフォンの通音は鳴らなかった。みおはもう何かを伝えるために画面をく必がなかった。言うべきことは直接言った。婚しましょう。それで分だった。