"4回の救急着信と1ヶ月後の離婚宣告" 第16話
「何かありましたか?」
「血圧と拍がしずつ定してきています」
「本当ですか!?」
「はい。ただまだ経過観察が必です」
もろから来た。
「きくできる段階ではありません。でも今朝よりはいいです」
尚弥は何度も頷いた。
「ありがとうございます」
は1度だけ頷き返した。
48もみおの循環状態は定した。呼吸器の設定もしずつげられた。部の傷については繰り返し検査がわれた。すぐに識が戻ったわけではない。それでも最初の夜のように数値が落ち続ける状態ではなくなった。
尚弥は毎病院へ来た。会社へ全くかないわけにはいなかった。ただ役員会のと常判断は専務へ渡した。川が必な類だけ持ってくる。尚弥は病院の面談か会社の応接で処理した。張は全て止めた。接待も断った。それを誰かに褒められたいとはわなかった。
井は数に1度、みおの着替えや必なものを持ってくる。ある、尚弥が病ので待っていると井が言った。
「し寝たらどうですか?」
「丈夫です」
「顔が丈夫じゃありません」
以なら尚弥はその言い方に眉をひそめたかもしれない。今は何も言わなかった。井は続けた。
「奥様が起きた、倒れてるが増えても困ります」
「分かりました」
「分かったなら今は帰って寝てください」
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尚弥はく言った。
「井さん、からこんなに物言い厳しかったですか?」
「は言っても聞かないでしたでしょう」
尚弥は答えられなかった。井は荷物を護師へ渡した。それ以のことを代わりに説しなかった。
1週、2週、3週。24目には名を呼ぶとまぶたがくことが増えた。はそれでも回復期を断言しなかった。尚弥は毎回その説を同じように聞いた。せかせる相はもういなかった。回復の期は誰にも決められなかった。
みおの状態はしずつ変わった。目をけることはまだない。でも医師は刺激への反応がてきていると言った。尚弥はベッドの横で必以に話さなかった。1度だけみおのスマートフォンを修理できるか調べた。端末本体の復旧は難しかった。ラインの履歴は尚弥側にも残っている。それで分だった。最のメッセージを消す気にはなれなかった。『お幸せに』。そのの自分の2。みお、話しろ。何してる。見れば見るほど、やり取りはあの順番だけで分だった。
1ヶく経った夕方、黒川尚弥は病の子で会社から届いた資料を読んでいた。1枚めくる。もう1枚。
ベッドの方で布がわずかにいた。
尚弥は顔をあげた。みおの指がいていた。最初は気のせいかとった。ちがる。
「みお……」
返事はない。
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まぶたが震えた。尚弥はナースコールを押した。
「みお……!」
もう度呼ぶ。みおがゆっくり目をけた。焦点はっていなかった。尚弥はベッドへづいた。
「みお、分かるか?」
みおの目がゆっくり尚弥の方へいた。尚弥の息が止まった。
「先呼んだから、かなくていい」
みおは何も言わなかった。森川が入ってきた。
「黒川さん、聞こえますか?」
みおがまばたきをした。
「お名分かりますか?」
しがかかった。唇がく。みお……。森川の表が緩んだ。
「はい、黒川みおさんですね」
も来た。簡単な確認が続いた。名、痛み、指示への反応。尚弥は邪魔にならない位置へがった。検査の、が言った。
「今はあまり話させないでください」
尚弥はすぐ頷いた。
「分かりました」
「ご本も疲れています」
「はい」
と森川がる。病にみおと尚弥が残った。尚弥はしばらくったままだった。何度も考えた言葉があった。謝る。説する。自分が悪かったと言う。もう2度とさやに会わないと言う。会社のことも話のことも話す。でもみおの目を見たら用した順番が全部消えた。
みおは尚弥を見た。目にりはなかった。涙もなかった。ただ静かだった。尚弥はベッドの横へ座った。
「ごめん……」
声がしかれた。
「本当にごめん」
みおは何も言わない。
「話のこともった。病院からだったって……」
みおのまぶたがわずかにいた。
「会社のファイルも見た」
尚弥は続けた。
「俺が連絡を取らなかったせいで、みおがあの事故に……」