"日本一情の深い父の裏の顔" 第4話
サービスエリアのトイレへ向かったとされるは、午分。
画面に表示されている衝突刻は、それよりも以。
分秒。
速百キロから、わずか秒らずでゼロへの急減速。 マイナス〇・Gの衝撃。 列目側のプリテンショナー、作。
「……?」
俺のから、乾いた掠れ声が漏れた。
「なあ、拓。お、あの、どこにいた?」
健さんの問いかけに、俺の記憶の底から、たいのような覚がいがってきた。
あの、俺は部活の宿があって、旅には同していなかった。 京の自宅で留守番をしていた俺に、父から話がかかってきたのは、午のことだった。
『菜がいなくなった。サービスエリアのトイレにったきり、戻らないんだ』
受話器の向こうの父の声は、狂乱していた。 話からは、サービスエリアのざわめきと、泣き叫ぶ母の鳴が聞こえていた。
翌朝の警察の調。 父が捜査員に証言したタイムスケジュールは、聞にも掲載された。
『午に伊豆原のレストランで昼を終え、混雑を避けるため半まで同施設の休憩に滞。に名速へ流入』
嘘だ。
画面の数字が、そのすべてを徹に否定していた。
午分。 は速百キロを超える猛スピードで疾し、何かに激突していた。
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そしてその瞬、列目のシートに座っていた菜の体を、シートベルトが締めげ、4センチ伸びきるほどの負荷をかけていた。
「これ……事故を起こしてる」
健さんが、掠れた声で言った。
「それも、半な追突じゃねえ。百キロからの急止だ。ガードレールか、壁か、あるいは……」
健さんはそこから先の言葉をみ込んだ。
静まり返った内に、コンクリートのを打つ微かな音が響いていた。 俺の膝が、刻みに震えていた。
父さんは、、何を捜していたんだ?
全国をり回り、万枚のチラシを配り、テレビカメラので涙を流しながら訴え続けたあの言葉は、体何だったんだ?
『菜、どこにいるんだ。お父さんは諦めないぞ』
あの声が、のでリフレインする。
その元で。 父が毎握りしめていたステアリングのすぐ真ろで。 4センチ伸びきったシートベルトと、切断された防犯ブザーが、ずっと沈黙を守り続けていた。
震える指先で、ハイエースの助席のダッシュボードにを伸ばした。
検証入れを取りし、をぶちまける。 定期点検記録簿の束。
、平成の記録を探す。
あった。 事件のわずか、付の備伝票。 発元は、父が普段使っていた京の正規ディーラーではなく、静岡県内の沿いにある、見らぬ板の名だった。
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品名欄に並ぶ、きの文字。
・フロントバンパー交換 ・フロントフェンダー板塗装 ・ラジエーターサポート修正 ・ヘッドライトユニット交換
備考欄には、こう記されていた。
『自損事故(鹿との接触と申告あり)』
費用、万円。 支払区分、全額現。
「……鹿?」
健さんが伝票を覗き込み、く吐き捨てた。
「鹿とぶつかって、速百キロからゼロになるまで減速して、プリテンショナーが作するかよ。……それに見てみろ。交換部品に『シートベルト』が入ってねえ」
「え?」
「フロントをこれだけ派に潰して、プリテンショナーが吹っんでるのに、シートベルトを交換してねえんだよ。普通、ディーラーなら連した保部品は全とっかえが義務だ。それを隠して、装のガワだけ辻褄わせて直させやがったんだ」
隠したのだ。
父は、あの起きた『何か』を、警察にも、ディーラーにも、そして世にも隠した。
壊れたフロントを現で修理させ、内に残された4センチの歪みだけを、誰の目にも触れないよう放置した。
そのだった。
ツナギのポケットので、俺のスマートフォンが甲いバイブレーションを響かせた。
臓がねがった。
画面を見ると、そこには無質な文字が表示されていた。
【父親】
呼吸が止まりそうになる。 健さんと線が交錯した。
健さんは無言で、顎をしゃくってるよう促した。
喉の奥がカラカラに渇いていた。