みかん小説
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"見えない星" 第12話

はる子のと誠実さは、え切っていたホテルの空気を急速に変えていった。 正社員が契約社員を見し、清掃員がフロントを疎するというの悪弊は徐々にれ、互いの仕事を尊し、支えう温かいが組織全体に芽え始めていた。

が経過した頃、グランドホテルはかつてない活気に満ち溢れていた。 スタッフたちの表には自然な笑顔が宿り、宿泊客からのアンケートには、サービスの質の劇な向を称賛する言葉が連寄せられるようになった。 はる子の教育プログラムは、成功を収めたのである。

あるの夕暮れ、業務の報告を終えたはる子は、最階の会田と向きっていた。 窓のには、茜に染まる京のビル群が美しく広がっている。

「はる子さん、あなたのおかげで、このホテルは本当に見違えるように変わりましたよ」

田が温かい差しを向けて語りかけると、はる子は照れくさそうに首を振った。

「いいえ、田さん。これは私の力ではありません。スタッフのみんなが、お客様のために懸命変わろうと努力してくれた結果です」

「いや、あなたのそのものが、みんなのかしたのです。教科やマニュアルでは決して教えられない切なものを、あなたが示してくれた」

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田の言葉に、はる子はく微笑み、まっすぐに相を見つめ返した。

田さんこそ、私に切なことを教えてくださいました。どんなにあっても、として誠実にきることの尊さを」

は窓辺に並んでち、沈みゆく夕を見つめながら、固く温かい握を交わした。

その夜、はる子は実で両親とともに、久しぶりに穏やかな夕卓を囲んでいた。 卓には、かつては買うことすら躊躇われた鮮な刺や、彩り豊かな野菜の煮物が並んでいる。 与の増額と充実した医療支援制度のおかげで、父親の透析の費用も無理なく支払えるようになり、母親の治療にも専できる環境がっていた。

「お父さん、お母さん。私、今、本当に幸せだよ」

はる子が満面の笑みで告げると、父親は目元を細めてく頷いた。

「はる子が幸せなら、私たちも本当に幸せだ。おが真面目に、諦めずにきてきたことへの、神様からのご褒美だな」

母親もまた、娘のをそっと握りしめながら涙を浮かべて微笑んだ。 はる子はった。 確かに、あのの解雇通告はあまりにも理尽で、絶望来事であった。しかし、もしあの苦難がなければ、田会の正体をることも、組織の歪みを正す力を持つことも、そして今こうして胸を張ってきる自分と会うこともできなかっただろう。

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におけるすべての来事には、がある。誠実さを捨てずにを向いて歩き続ければ、は必ずけるのだと、彼女はの底から確信していた。

。田はる子は、グランドホテルの顧客サービス部の統括部として、名を超える部を率いるとなっていた。 ホテルの評判は国内のみならずへも広がり、客の稼働率は連を記録し、各種メディアでも「最も温かなサービスに会えるホテル」として特集が組まれるまでになっていた。

あるの午、はる子のデスクに、通のエアメールが届いた。 差は、かつて階の廊で彼女が案内をした、あの客であった。 便箋には、流麗な英語でこう記されていた。

『あなたのホテルで受けたからの温かい対応は、私ので決して忘れられない素らしいとなりました。あの、言葉の壁を越えて私を助けてくれたあなたの笑顔に、どれほど救われたか分かりません。いうちに、族を連れて必ずまた訪れます』

を胸に抱きしめながら、はる子の瞳にい涙が滲んだ。 自分たちの注いできた真が、を越えて確かにへと届いている。その実こそが、彼女にとって最の報酬であった。

コンコン、とドアがノックされ、田が穏やかな笑みを浮かべて内にを踏み入れてきた。

「はる子さん、しよろしいですか」

「あ、田会。どうぞ、お掛けになってください」

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