"「忘れ物」で夫の嘘がばれた日" 第3話
今朝まで私へ向けていた穏やかな声とは、まるで違う。
2はリビングへ入った。
私はの襖のに座り、録音アプリを起した。
子が私のを握った。
「1週もハワイに追いやるなんて、よく考えたわよね」
女が笑う。
「はかかったけどな」
健は答えた。
「まあ、を売るための必経費だとえばいもんだよ」
その瞬、胸ので何かが静かに崩れた。
疑いではない。
勘違いでもない。
夫は本当に、私と母がにいるにを売ろうとしている。
女は佐伯苗だった。
2、健に頼まれて、私は彼女への昇祝いを選んだことがある。
「部の女性なんだけど、何を買えばいいか分からないんだ」
そう頼まれ、私は百貨でいブルーのスカーフを選んだ。
数、苗から話が来た。
「奥様、本当にありがとうございます。切に使います」
礼儀正しいだとった。
その女性が今、私ので笑っている。
「それにしても、このって結構広いわよね」
苗のヒールがフローリングを歩く。
「築数は経ってるけど、駅がいからがいんだ」
「売れたら、あのマンション買える?」
「分だよ」
健は嬉しそうだった。
「由美の親父が残しただからな。あいつさえいなくなれば、こんなもの現にして俺たちの活に使えばいい」
私は唇を噛んだ。
父は、
「由美が何かあったに困らないように」
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と言ってを私に残してくれた。
そのを、夫は自分とのマンション資に変えようとしている。
「でも、本当に丈夫なの?」
苗の声がしくなった。
「奥さんの名義も入ってるんでしょう?」
「委任状は作った」
「印鑑は?」
「用してある」
「本確認とかされたら?」
瞬、沈黙があった。
健は声を落とした。
「そこは何とかする。今来る担当には、由美は体調が悪くてに会えないって話にしてある」
私の背にたいものがった。
単に査定を頼んだだけではない。
最初から私を続きからすつもりだった。
「婚届の方は?」
苗が聞いた。
「母さんにも証をかせた。あとはタイミングを見てすだけだ」
「奥さん、絶対るわよ」
「帰ってきたには遅いさ」
健は笑った。
「ももなくなって、婚届までていたら、あいつに何ができる」
子のに力が入った。
私は母の顔を見なかった。
見れば、きっと耐えられなくなるとった。
「ところで、ビールんでもいい?」
蔵庫がく音がした。
「いいよ。どうせ由美が帰ってくる頃には、ここは売る話がんでる」
プシュッ、と缶のく音がした。
昨、私が健のために買ったビールだった。
そんな些細なことが、番胸に刺さった。
25。
朝を作った。
洗濯をした。
娘を育てた。
夫が仕事で落ち込めば励ました。
料ががればパートを増やした。
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義母が病院へくはをした。
自分だけい物を買わないようにして、計を守った。
その全部を夫は、
「帰ってきたら遅い」
の言で片づけようとしている。
「でもさ」
苗がビールをみながら言った。
「ハワイの写真、送ってきたりしないの?」
「由美はそういうの苦だから丈夫」
「話は?」
「俺から送ってあるよ。今頃搭乗ゲートかなって」
健が笑った。
「してるよ、までいた」
2の笑い声がなった。
私はスマートフォンの録音を見た。
18分。
全部入っている。
その、健がふと声を落とした。
「午3までに、もう度類を確認しとくか」
「権利は?」
「全な所に隠してある」
「どこ?」
健が笑った。
「あいつの親父の仏壇の」
私は息を止めた。
子もこちらを見た。
父の仏壇。
私が毎朝をわせている、の仏壇だった。
「そこなら由美も滅に引きしを触らない。親父の位牌ので物を探すなんて、あいつにはできないからな」
夫の言葉が続く。
「番全な所だよ」
その瞬、襖枚向こうにいる男が、25緒に暮らした夫ではなくなった。
私の父へのいまで利用して、財産を奪う具を隠した。
しみより先に、たい決がまれた。
私はバッグののスマートフォンを握りしめた。
そして真理子へ言だけ送った。
《権利の所が分かった》
数秒、返事が来た。
《確認できたら確保して。午3、私もそちらへく》
私は画面を閉じた。