"19年間の嘘を暴いた1枚のDNA鑑定書" 第7話
玲奈はそう言うと肩をすくめ、テーブルのに置かれていたリモコンのボタンを軽く押した。
「あら、いリモコンね。そんなおもちゃでこの私を脅すつもりかしら?」
芳は玲奈のを子供のいたずらと断じ、嘲るようにを鳴らした。
だが玲奈は何も答えず、ただ無邪気な微笑みを浮かべたまま、リモコンのさなボタンを指先で軽く押した。
その瞬、リビングの壁面を占めていた現代アートの絵画が音もなくスライドし、その奥から巨なスクリーンが現れた。
そしてスクリーンに鮮やかなが灯り、ある所の景が映しされる。
なマホガニーのテーブルを、厳しい表の男たちが囲んでいる。
神崎グループ本社最階にある役員会議。 今まさに、会社のをかけた緊急役員会がかれているその所だった。
最初はそれがただの録画映像だとっていた芳の顔から、血の気が引いていく。
画面の隅にさく『LIVE』という赤い文字が点滅していたからだ。
そしてさらに信じがたいことに、その役員会議で使われている型モニターには、今このスイートルームの景がリアルタイムで映しされていたのだ。
役員たち、そして神崎グループの顧問弁護士までもが、固唾を呑んでモニターを見つめている。
自分が圧に真由を罵り、DNA鑑定を突きつけ、孫たちを力ずくで連れろうとしているその醜悪な姿の全て。
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会議は衝撃と戸惑い、そして隠しきれない軽蔑のざわめきに包まれていた。
「な、何なのこれは!今すぐ、今すぐお消しなさい!」
芳は自分の権威が音をてて崩れていくのをじ、まれて初めて経験する種類の恐怖に襲われた。 震える指先でスクリーンを指差し、切り声をげる。
しかしその狼狽した姿さえも、忠実に役員たちの元へ届けられていた。
玲奈は困ったようにさく首を傾げた。
「消すのはもう遅いかもしれませんわ、お祖母様。だってこの放送は、役員会のモニターだけじゃなくて……」
彼女はノートパソコンのキーを数回軽やかに叩いた。 カチャカチャというリズミカルな音が、静まり返った部に気に響く。
「私たちのグループ企業の、社内イントラネットを通じて全社員に継されていますもの」
その言葉は、芳の考を完全に止させた。
全社員。 それは数千、いや、関連会社を含めれば数万という数のが、今この瞬の女帝が犯している愚の目撃者になっていることをしていた。
自分がこれまで畜のように見してきた者たちに、最も見られたくない無様な姿を晒している。
その屈辱は、彼女の直したプライドを々に打ち砕いた。
「ちなみにこの配信のタイトルは『神崎女帝のパワハラ拉致未遂事件』とつけさせていただきました。
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どうかしら?なかなかキャッチーでしょう。あ、すごい。再回数がものすごい勢いで伸びていますわ」
玲奈の弾むような、しかし悪魔のように残酷な声が、芳ののでこだまする。
再回数。そのデジタルな数字が、自分の権威の失墜をリアルタイムで証している。 数字が万を超えたに、芳は激しくむせぎ、胸を押さえた。
「あなたが誇るその素らしい『神崎の血』というのが、こんなにも浅はかで恥らずなものだったなんて。本当にから失望いたしましたわ」
男の湊が、氷のようにたい線で芳を見ろし、静かに言い放った。
その言葉が、最の引きとなった。
マダム・ローズはゆっくりと子をかし、打ちひしがれた芳のにみた。 その威厳に満ちた姿は、無様に縮こまった芳の姿とあまりにも対照だった。
「おい、神崎芳。、私の娘が赤子を宿した体でのを追いされた、おが何と言ったか覚えているかい?」
マダムの声はく静かだったが、その響きは鳴のように部を震わせた。
「『息子の未来の邪魔だ。さっさと消えろ』。そう言った。そうじゃないか。その汚らしいで、今度は私の孫たちを欲しがるのかい。かましいにも程があるだろう。この子たちは、おたち神崎の腐りきった血よりも、私が注いだとこの娘の命がけの献によって育ったんだ。