"妻を崖から突き落とした義家族と300億円の婿" 第19話
これで族の世体も保たれるというものだ』
自分たちの恐ろしい計画が、言句違わず記録されていた。
そのことに、義父とたけしは完全に言葉を失っていた。
完全犯罪だとい込んでいた彼らの元が、音をてて崩れ落ちていく。
その崩壊の音を、私は極温の瞳で静かに観察し続けていた。
『きゃあ!来ないで!お父さん、お兄ちゃん!』
ゆいの叫び声が響いた。
たけしはを塞ぐように両をに当てた。
ソファの背もたれに崩れ落ちた。
『消えろ!』
『きゃあああ!』
ゆいが崖から突き落とされる瞬の鳴が、広な広に残酷な響きを持って反響する。
ドスンというい落音。
そして、たけしの歪んだ笑い声と、義父の酷な指示が最に流れた。
『わはは!これで会社の株は全て々のものだ。せいぜい獄で悔するんだな!』
『くぞ。あいつのに、あの偽のを置きにかねばならん』
音声が完全に終わった。
プツリという子音と共に再が止した。
広には、もはや針が落ちる音すら聞こえるほどの、底れぬ静寂がりていた。
私はスマートフォンを着の内ポケットにゆっくりとしまった。
2の顔を見据えた。
義父の顔は気に変わっている。
をパクパクとかしているが、声になっていない。
たけしに至っては呼吸すら忘れたように固まっていた。
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焦点のわない目でテーブルの点を見つめていた。
「これが、あなたたちの言う『男を作って逃げた』真実ですか?」
私の静かな問いかけに、義父の体がビクンときく震えた。
「な、なぜ……」
義父のから、枯れた声がようやく漏れした。
「なぜ、おがその音声を持っている?あの夜、あそこには々しかいなかったはずだ」
「ゆいが録音していたのですよ」
私が事実を告げると、たけしが弾かれたように顔をげた。
「嘘だ!あの女は崖から落ちてんだはずだ!持ち物だってから全て確認したんだぞ!」
たけしのからびしたのは、自分たちが殺を犯したという確な自そのものだった。
私はたくで笑った。
彼らのれな姿を見ろした。
「彼女はあなたが突き落とす直に、ボイスレコーダーのスイッチを入れました。そしてそれを肌さず持っていたのです」
私はあえて宝くじの箱についての詳細は語らなかった。
彼らがゆいを奥へ追放し、子での活をしたことまで、私が全てっていると理解させるためだ。
「まさか……いや、あり得ない」
義父は震えるで額の汗を拭った。
ひどく狼狽した様子で私を指差した。
「あいつがきているはずがない!々はあいつを……」
義父は言葉を詰まらせた。
崖から突き落とした、瀕のゆいを脅迫し、偽のをかせたのは彼ら自だ。
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彼らはゆいが誰にも助けを求められず、そのうちので野垂れぬと計算していたのだろう。
「残でしたね。ゆいはきていますよ」
私がはっきりと告げた瞬。
義父とたけしの目が見かれた。
絶望のがくっきりと浮かびがった。
「しかも、私がしっかりと保護し、今頃は全な所で最準の医療を受けています。あなたたちの汚いが2度と届かない所でね」
「貴様!」
たけしが半狂乱になってちがった。
テーブルを乗り越えて私に掴みかかろうとした。
「その音声を警察に渡す気か!ふざけるな!この無能な男が!」
私はちがることなく、真っすぐにたけしの目を睨みつけた。
その極度にえ切った私の線に射竦められた。
たけしは伸ばしかけたを空で止めた。
「無能、底辺。あなたたちは3、私をそう呼び続けてきましたね」
私はゆっくりとちがった。
スーツのシワを払いながら、彼らを見ろした。
「警察にはすでに、殺未遂及び特別背任の容疑で通報済みです。今頃はこの敷の周囲を、勢の捜査員が包囲していることでしょうな」
「警察を呼んだだと?」
義父がソファからね起きた。
信じられないというように、窓のへと線を向けた。
まだサイレンの音は聞こえない。
だが、彼らののにはすでに絶望のサイレンが鳴り響いているはずだ。
「ま、待て、誠君。話しおう」
義父の態度が、瞬にして見苦しい命乞いへと変わった。