"母親ではないと言われた日" 第1話
「保護者席は族が座る所でしょう。あのは本当の母親ではありません」
学の授業参観で、姑のは教に聞こえる声でそう言った。私は娘の理子が発表に使う模造を掲げたまま、入でを止めた。
理子は歳のに実母を病気でくしている。私が夫の俊と結婚したのは、その半だった。私たちはすぐ養子縁組をせず、理子が望むまで待つと決め、私は、学の支度や通院、毎の事を担ってきた。
「お義母さん、今は学から保護者名までと言われています。俊さんが仕事で来られないので、私とお義母さんで入りましょう」
私は声を抑えたが、はかなかった。
「私は血のつながった祖母です。席がつしかないなら、あなたが廊にいればいいでしょう」
担任の先が困った顔でづいてきた。教では児童たちが振り返り、理子は発表台の横で唇を結んでいた。
「今は理子さんが、おに見てもらいたいと話していました。ろにつ所もありますから」
先の提案で私たちは教へ入った。は最列、私はろの壁際にった。
理子の班は《町ので働く》について発表した。理子は私が勤めるセンターを取材し、物アレルギーのある子にも同じようにを楽しんでもらう夫を説した。
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「私のお母さんは、献表の確認をする仕事をしています」
理子がそう言った瞬、がさく咳払いをした。発表、姑は理子へ「くなったお母さんのことも忘れないで」と言い、クラスメートので実母の写真を渡した。
帰宅すると、理子は写真を学習机の引きしへ入れた。捨てもしなければ飾りもしなかった。
「今、嫌だった?」
私が尋ねると、理子は「疲れた」とだけ答えた。誰の言葉が嫌だったかを言わせれば、子どもにを選ばせることになる。私はそれ以聞かなかった。
夜、俊へ話すと、夫はスマートフォンから目をげずに言った。
「母さんも悪気はない。理子の実母を忘れられるのが怖いんだよ」
「悪気がなければ、教で私を母親ではないと言っていいの?」
「事実ではあるだろう。君は育ての親で、織は産みの親だ。どちらも否定しなければいい」
夫は公平なことを言っているつもりだった。しかしが私だけを否定した、何も止めないことはではない。
翌朝、学から話が来た。理子の緊急連絡先が、私からへ変更されているという。
変更届の保護者署名欄には、俊の名がかれていた。
私は学へき、変更届の写しを確認した。先は、祖母が父親から頼まれたと断言したため受理してしまったこと、本確認の話を省いたことを認めた。
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学だけを責めるつもりはなかったが、「族だから」という説が確認をにした点は、ので起きていることと同じだった。
理子の緊急連絡先はすぐ元へ戻された。学は今、連絡先や引き渡しの変更について、登録済みの保護者へ話で確認することにした。個を危険物として扱うのではなく、どの庭にも適用する続きへ変えたのだ。
帰宅、俊は「学にまで母さんのことを言いふらした」と満を示した。私は姑の性格を説したのではなく、署名の確認を求めただけだと答えた。
「秘密にしておけば、次も同じことができる。族の評判より、理子が誰と帰るかの方が事でしょう」
俊は反論しなかったが、納得した顔でもなかった。夫にとって、母親の善を疑うことは、自分が良い息子ではなくなることにかった。
俊は変更届をいていないと言った。学へ確認すると、、が用を持参し、「父親に頼まれた」と説していた。署名が本物かどうかを学が判断することはできず、担任は庭内で確認してほしいと謝った。
「母さんに直接聞くよ」
俊は話をかけた。は隠さなかった。
「佳奈恵さんは仕事、話にられないでしょう。私ならいつでも迎えにける。俊がくを省いただけよ」
「僕の署名を勝にいたのか」
「族の連絡先を変えただけで、犯罪者みたいに言わないで」