"300億円が消えた結婚式" 第3話
母親の正子さんが63歳。それにえりさんの兄の克彦さんが42歳での事務をしている。その部の3が横に並び、兄は1で向かいに座った。
最初にをいたのは周さんだったという。
「柏さん、あなたの娘の何が気に入ったのかな?」 「るいところです。」 「るい? それだけ?」
周さんは笑ったそうだ。
「まあいい。でお勤めは建材さんだったね。ただのサラリーマンだろ。」 「はい。」 「43で主任。この先は課になれればとっています。」 「なれれば。」
その繰り返し方に、兄は何も言い返せなかった。まさ子さんが横からを挟んだのはそこだったという。
「あのね、柏さん。うちのと釣りうとおいになって?」 「釣りいという言い方は、あまり考えたことがありませんでした。」 「考えてくださらないと困りますわ。」
まさ子さんは湯みを両で包んで品に首をかしげたそうだ。
「うちはね、祖父の代から3代にわたって央の経営に携わっておりますの。娘の相が誰なのか、みんな見ておりますのよ。」 「はい。見ているがいというのは、そういうものなんですね。」
兄はそこも「はい」と答えた。話が族のことに移った。聞いたのはまさ子さんだ。
「ご両親は?」 「23にくなりました。事故です。」 「あら。」
その音が兄は今でもに残っていると言った。同の音ではなかった。
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類の空を見つけたの音だった。
「ご兄弟は?」 「妹が1います。」 「妹さん、何をなさってるの?」 「で美容関係の仕事をしています。」
座敷の空気がそこで緩んだそうだ。まさ子さんが笑ったからだ。
「美容関係。まあどうせネイル稼ぎでしょ。」
克彦さんも笑った。
「ってどこですか?」 「ベトナムとかシンガポールです。」 「へえ、で美容関係ですか。まあ、いろんな仕事がありますからね。妹の名は?」 「柏……」 「ああ、いいのよ、お名なんて。」
まさ子さんはを振ってその先を遮り切ったそうだ。兄はそこでも何も言なかった。妹の仕事を説する権利は妹にあるとっていたのだとで聞いた。それが兄の礼儀の形だった。だからそのたちはその私の名を聞かないまま返した。
で系図に記載された柏未令という字も、あのたちには何も語らなかった。私は仕事でその苗字を名乗っていない。取引先が目にするにも私の本名はてこない。調べたはそこでを止めたのだとう。名を聞かない相のことは調べようがない。
「えりさんは何も言わなかったの?」 「言おうとしてたよ。お母さんに袖を引かれてやめてたけどな。」 「それ、言わなかったのと同じだよ。」 「ミレイ。」 「なんの?」 「あのだって、あので38きてきたんだ。」
兄はそういう言い方をする。
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相の側から見た理屈を必ず1本ててやる。
帰り際は玄関でスリッパを脱いでいるに、兄は座敷のテーブルのに置かれたを見たという。表になっていて、のに柏琢磨と印字されていた。会社名、部署名、勤続数、そして収の欄があった。の隅に興信所の名が入っていたという。兄はそののの方も見た。族の欄だ。父母。妹1名。その横に1だけあった。。国内に連絡先なし。詳細。
「お兄ちゃん、それ興信所に調べさせてたってことでしょ。」 「まあ、そうだろうな。ああいうは普通にやるらしい。」
兄はそう言って話を切ろうとした。私は切らせなかった。
「お兄ちゃん、それ普通じゃないよ。」 「ミレイ、何が?」 「悪いたちじゃないんだ。」
その、私は「そうかもね」と答えた。答えてしまった。
話を切った、私は自分の帳をいて、68の欄に1いた。
釣りい。3代。見ているがい。
そのにその部で言われた言葉を3つだけき移した。
6の終わりに、私は仕事のを縫って本へ戻った。羽田から直接兄のアパートへった。23んでいる2階建ての古い建物で、階段のすりだけがしい。
「式の費用を私にさせてよ。」
靴を脱ぎながら私はそう切りした。兄は麦茶を注いでいたを止めた。
「いらない。」 「式の費用くらい、私にとってはなんでもないの。
」 「ミレイ。」
兄を2つテーブルに置いた。
「俺はな、おからを育てたんじゃない。」 「そういう話じゃないよ。」 「そういう話だ。