"離婚後、義母のカードを止めました" 第9話
髭は伸び、シャツはしわだらけで、目のには濃い隈ができている。
それでも私を見た瞬、最初にたのは謝罪ではなかった。
「よくも俺を売ったな」
私は子へ座った。
「何のこと?」
「会社だよ。おが余計なことしなければ」
「私はあなたのパソコンを勝にいていないし、会社のおをかしたのも私じゃない」
「うるさい!」
健がちがろうとし、警備員が歩へた。
彼は舌打ちをして座り直した。
「お、昔はこんな女じゃなかったよな」
「どんな女?」
「もっと素直だった。俺の言うこと聞いて、母さんにもげてた」
私は健の顔を見た。
その言葉で、ようやく分かった。
彼がしていたのは私ではなかった。
自分よりにいて、何を言ってもれていかない女が必だっただけなのだ。
「それを素直って呼んでたの?」
健は答えなかった。
「私、ずっと怖かったの。あなたにられることも、お義母さんに嫌われることも、になることも。でも婚届をした、初めて分かった」
私は静かに続けた。
「になることより、自分を嫌いになりながらあなたと暮らす方が怖かった」
健の目が揺れた。
しかしすぐに顔を歪めた。
「偉そうに。卒のくせに」
最まで、それだった。
私はわず笑った。
声ではなかった。
ただ、もうその言葉がしも刺さらないことがおかしかった。
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「健。あなた、本当に何もらなかったのね」
「何がだよ」
「私が資格を取ったことはってたでしょう?」
「会計士だか何だかだろ」
「資格を取ってから、企業の正調査を専にしてきたの。今回央商事から見を求められたのも、その仕事をしてきたから」
健が黙った。
「あなたが『遣い稼ぎ』って言ってた仕事、の私の売はあなたが央商事にいた最のの収を超えてる」
「……嘘だ」
「確定申告を見る?」
健は何も言わなかった。
私はバッグから資格証をすようなことはしなかった。
もう証する必がなかった。
「学歴で私を笑うたびに、あなたは自分がになった気分だったんでしょう。でも私は別に、あなたよりになりたかったわけじゃない」
私はちがった。
「同じさで話したかっただけよ」
健の肩が落ちた。
「涼子」
初めてい声になった。
「警察にす資料、何とかならないか」
「ならない」
「頼むよ。俺、捕まるかもしれないんだぞ」
「だから?」
「夫婦だっただろ」
私はドアへ向かった。
「そうね」
振り返らずに答えた。
「3までは」
部をた直、背から健の鳴り声が聞こえた。
それでも私は振り返らなかった。
数、健は警察から任同を求められた。
そしてそのの夕方。
ハワイから帰国した子から、また話がかかってきた。
子が帰国したのは、予定より4かった。
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ホテルで追加料を精算するため、本の自分の座から資を移し、買ったばかりのブランドバッグも現で返品したらしい。帰国便はもともと購入済みだったため、最悪の事態にはならなかった。
私のマンションへ現れたのは、帰国した翌の午だった。
インターホンを見ると、そこにはきなスーツケースを引いた子がいた。以のように髪を完璧にえてはいなかったが、像していたほど惨めな姿でもない。
私はドアをけず、インターホン越しに話した。
「何の用ですか?」
「涼子さん。お願いだからけて」
「ここで話してください」
子は唇を震わせた。
「健が警察に呼ばれたって本当なの?」
「私から説することではありません」
「あなた、何とかできるんでしょう?」
「できません」
「でも会計士なんでしょう。央商事の社ともりいなんでしょう?」
また、その話だった。
利用できるとった瞬だけ、私の仕事も資格も価値を持つ。
「子さん」
「何よ」
「私が公認会計士だから助けてほしいの?」
子は答えなかった。
「それとも、卒だから助けるのが当然?」
画面の向こうで、子の表が固まった。
私は責め続ける気にはならなかった。
「保証契約のことは弁護士に相談しましたか?」
「したわよ」
「何と言われました?」
「跡も違うし、私が署名した証拠がないなら争えるって。
でも警察にも話をしないといけないって」
「では、そうしてください」
「健が逮捕されたらどうするの?」