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"息子の婚約者の母は、20年前の女だった" 第2話

違う。

恵子が守りたいのは、今の自分だけだ。

の夫・誠との活。

品な母親として築いてきた

そして何より、医師となった健を自分の都のいいとして扱える未来。

私は1になった化粧で、ハンドバッグをいた。

い封筒に指を触れる。

の結婚が決まった、私は相柄を調べようとったわけではない。

ただ、苗の母親の名を聞いた瞬、説できない胸騒ぎがあった。

そのため、を通じて興信所へ最限の調査を頼んでいた。

そして昨、その報告が届いた。

そこにかれていたのは、20倫だけではなかった。

恵子は現、夫の誠に隠して3000万円を超える借を抱えていた。

投資話に失敗し、見栄のための費をね、さらに親族名義の座まで無断で利用している能性がある。

報告には、彼女がある融関係者と接触している写真も添えられていた。

そして調査員の報告には、気になる文があった。

、恵子は「娘の婚約者が医師になった」と周囲に頻繁に話している。

私は封筒を静かに撫でた。

20、あの女は私から夫を奪った。

今度は、息子のまで利用しようとしているのか。

私は鏡のの自分に向かってゆっくり頷いた。

もう度と、好きにはさせない。

そして化粧、スマートフォンを取りした。

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調査を依頼していた相いメッセージを送る。

「予定通り、追加で確認をお願いします」

すぐに既読がついた。

私は息をえ、個へ戻った。

へ戻ると、恵子は何事もなかったような顔で健に話しかけていた。

「健さんは本当にしっかりしていらっしゃるのね。お医者様なら将来もですわ」

先ほど化粧で私に止めをした女とはえないほど、柔らかな笑顔だった。

私は静かに元の席へ戻った。

隣の健配そうに私を見たので、「丈夫」と伝えるようにさく笑った。

向かいでは、苗が両を膝ので固く握っていた。

その指先が震えている。

母親が何か言うたびに、苗はほんのし肩を縮める。

私はそこで初めて、彼女が恵子の顔を常にうかがっていることに気づいた。

庭園の池に、細いが落ち始めていた。

軒を打つ音を聞いた瞬、私の記憶は20へ引き戻された。

あのも、たいっていた。

突然、夫から婚届を突きつけられた。

「もう無理だ。婚してくれ」

理由を聞いても、夫は目をわせなかった。

私は5歳の健を抱え、でただち尽くしていた。

そのは、私も緒に働きながらローンを返していただった。

けれど、夫はすでにを決めていた。

そして玄関の奥に、若い女がいた。

恵子だった。

「これからは私がいるから」

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彼女はまるでしい主のように、勝ち誇った顔で私を見た。

私は分な貯もなく、頼れる親戚もくにはいなかった。

慰謝料や養育費について落ち着いて話しう余裕さえなかった。

夫は恵子の言葉に従うようになり、私と健は最限の荷物だけを持ってることになった。

ると、はさらにくなっていた。

傘を差す余裕もなく、私はさな健を握って歩いた。

どこへ向かえばいいのかさえ分からなかった。

「お母さん、泣かないで」

が、と涙で濡れた私の頬へさな指を伸ばした。

その瞬、私は決めた。

この子だけは絶対に守る。

父親に捨てられたことをの傷にさせない。

私が2せばいい。

私が働けばいい。

そのから、活は変わった。

昼はスーパーの裏方で働き、夜はオフィスビルの清掃へった。

朝はまだ暗いうちに起きて健の弁当を作り、学事にもできる限り顔をした。

疲れて帰れば、眠るだけで精杯のもあった。

は洗剤で荒れ、には指先が何度も切れた。

それでも健の寝顔を見ると、議ともう1頑張れた。

きくなるにつれ、私が何も言わなくてもの事を理解するようになった。

になった頃には、自分から皿を洗い、買い物袋を持ってくれた。

になると、ある夜、台所で突然こう言った。

「僕、医者になりたい」

私は驚いて振り返った。

「どうして?」

し照れたように笑った。

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