"合格発表の日、父は消えた" 第4話
同じ、千も同じ予備で模擬試験を受けていた。
2分の記録を比較すると、自然な点が見つかった。
千の成績は国語と英語がく、数学が平均だった。美咲は数学が得だが、英語の成績がかった。
ところが奨学選考に提された成績表には、千の英語と国語、美咲の数学の点数が組みわされていた。
庭状況の欄には、美咲の収入証が使われている。
成績の優秀な千は、父の収が基準をわずかに超えるため、ある企業奨学を申請できなかった。美咲は経済条件を満たしていたが、必な成績に届いていなかった。
瀬は2の資料を混ぜ、《佐伯千》という1の優秀な活困窮者を作っていた。
それだけではなかった。
京部学と予備のには、関連団体を通じた推薦制度があった。奨学を受けた徒には、学卒業、指定された福祉関連企業で働く義務があった。
瀬は美咲を、その制度へ入れようとしていた。
「私は般入試で格しました。美咲さんは推薦を受けるはずだったんですか」
千が尋ねると、宮は資料を示した。
推薦には佐伯千の名がかれ、写真だけが美咲のものになっていた。しかし同物が般入試にも格したため、学側から確認を求められていた。
このままでは、2いることが発覚する。
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瀬が考えた解決方法は、本物の千に般入試の格を辞退させ、美咲を推薦入学させることだった。
父のロッカーから見つかったメモも、再鑑定された。
《千には、学を諦めてもらうしかない》
の端には切り取られた跡があり、圧痕を調べると、のページにかれた文章が浮かんだ。
《瀬先は言った。美咲を入学させるには、千には学を諦めてもらうしかない、と》
それは父自の考えではなかった。
瀬の発言を記録したメモだった。
正雄は娘を学へかせたくなかったのではない。
別の女を救うために、実の娘を犠牲にしろと求されていた。
しかし千の元に届いた格類にも、審な細があった。
学費の振込用にかれた学番号が、格通の番号と致していない。から貼られたラベルを剝がすと、別の受験の番号が現れた。
納付期限も、本来より10い付へ変更されていた。
本当の期限は321だった。学には分納制度もあり、事を説すれば入学の延納も認められた。
ところが正雄と千は、311までに120万円を括で払わなければ格を取り消されるとい込んでいた。
瀬は、佐伯が期でを用できないことをっていた。
正雄が学費を払えず、娘が自分から学を諦めれば、般入試の辞退を自然に説できる。
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その、美咲を同じ名のまま推薦入学させるつもりだったのだ。
正雄は失踪当の午、学へ直接話をかけ、類が偽物だとった。
タクシー会社の事務員は、話を終えた正雄が珍しく笑っていたことを覚えていた。
「分納できる。千は学へける」
正雄はそう言い、営業を終えたあとへ寄った。
黄いチューリップを買い、娘の格通を持って帰宅するはずだった。
それなのに、彼は青空学園へ向かった。
正雄は美咲をに乗せ、瀬と話しうため京へ向かったのだ。
料メーターの最の記録が始まった午518分、施設くの商に設置されていた古い防犯カメラには、部座席へ乗り込む制姿の女が写っていた。
そのには、本物の千の名がかれた学の類が握られていた。
正雄による美咲の送迎は、個な善だけでわれていたわけではなかった。
当の川越央タクシーには、内の福祉施設や病院から送迎を請け負う制度があった。青空学園から京の相談関へ子どもを送る依頼も、そのつとして扱われていた。
しかし会社の正式な契約記録に、美咲の名はない。
毎第2曜、瀬は隊の今井へ現2万円を渡していた。今井は正雄を指名し、青空学園から板の集宅まで女を運ばせた。
正雄は、その集宅に瀬のである女性相談員がんでいると説されていた。