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"4500万の城を奪われた夜" 第13話

「会社の番号にかけてこないでください」

『貴様、親の携帯を着信拒否するとはどういう育ち方をしたんだ!』 周囲の雑音が受話器から漏れて聞こえた。の通過音、アナウンス、のざわめき。

『今、調布駅に着いた』

臓がドクンとねた。 「……京に来たの?」

『当たりだ! 悦子から全部聞いたぞ。士などという得体のれない女を連れてきて、内に脅迫状を突きつけたそうだな! おがそこまで恩らずで恥らずなに成りがっていたとは、親としてけなくて涙もんわ!』

宗助の声は、駅の公衆の面であるにもかかわらず、隠しようもない激に震えていた。

『今すぐマンションに戻れ! 敏男さんと悦子に座して謝れ! 私がに入って、担保の件も丸く収めてやる。親の顔をてる最のチャンスだぞ、葵!』

「断ります」 葵は切の躊躇なく言い切った。

『何だと!?』

「私はもう、あなたたちの顔を窺ってきる子供じゃない。座する理由も、謝る理由も何つない。あの部は私の財産です。の午までに退しなければ、法続きをめるだけです」

『親を捨てる気か! 世が許さんぞ! 親戚におの悪評を言いふらして、度と故郷の敷居を跨げないようにしてやる!』

「どうぞご自由に。もう度と、あのに帰るつもりはありませんから」

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葵はたく言い放ち、通話を切った。 そして、オフィスの窓から夕暮れに染まる京のを見ろした。

父は今、りに狂って調布のマンションへ向かっているはずだ。 悦子、敏男、栞、そして宗助。 葵から搾取することしかにない族のが、あの狭い2LDKに集結しようとしている。

葵はく息を吸い込み、麻里にメッセージを送った。 『父が京に来ました。マンションに向かっています』

秒も経たずに返信があった。 『解。決着のね。を待つ必はないわ。今夜、管理会社と警備会社を呼んで、全員まとめて引導を渡しましょう。今すぐ事務所においで』

葵はパソコンをシャットダウンし、鞄を掴んだ。 逃げるためではない。 、自分を縛り続けてきた虚飾の「族」という呪縛を、自らので完全に断ち切るために。

。夜の帳が落ちた調布のに、たいが吹き抜けていた。

葵は瀬川麻里、そして管理会社の佐伯、マンションの常駐警備員を引き連れ、エレベーターで階へがった。 エレベーターの鉄の扉がいた瞬、廊にまで鳴り声が漏れ聞こえていた。

「だから言っただろうが、兄貴! あいつは端から俺たちを追いす気満々だったんだ!」 「黙っていろ敏男! 私が直々に話をつければ済むことだ。誰のでこれまできてこられたのか、骨の髄までさせてやる!」

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父・宗助の声だった。 数、葵の幼期から期、そして独に至るまで、実の茶のを支配し続けてきた、あの無を言わさぬ居丈なトーン。 だが、今の葵の歩も竦まなかった。

402号の玄関つ。ドアの養テープで貼られた警告文は、乱暴に引きちぎられてに落ちていた。 葵は佐伯に目配せをした。佐伯がインターホンを押す。 ピンポーン、と甲い音が鳴る。

「誰だ!」 ドアが荒々しくいた。 現れた宗助は、髪交じりの髪を逆て、りで赤黒く染まった顔を歪めていた。定退職して数が経ち、腹回りは緩んでいたが、漂う威圧は昔のままだった。

しかし、宗助の線が葵の背に控えるスーツ姿の麻里、そして制を着た管理会社の佐伯と警備員を捉えた瞬、その表瞬の揺がった。

「……葵。なんだ、そのぞろぞろと引き連れた連は」

葵は父の目を見つめ返した。線をそらすことも、うつむくこともしない。 「私の部から退してもらうために来ました。ここにいる方々は、管理組の代表と、私の代理です」

「ふざけるな!」 宗助が歩踏みし、葵の胸ぐらを掴もうとを伸ばした。 だがその腕を、警備員がすかさず割って入り、制止した。

「お父さん、暴力はやめてください。警察を呼びますよ」 警備員のい声に、宗助は忌々しそうにを引っ込めた。

「警察だと? 実の父親が娘に説教することの何が犯罪だ! 葵、おというやつは……親戚に恥をかかせたに、を巻き込んで父親を犯罪者扱いするのか! これが親に対する態度か!」

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