"父の形見をゴミと笑った夫と五十億円の引導" 第21話
「田部、業者が提した話の録音データのき起こしを読みげてください」
私の指示に田部がく頷き、無な声でテキストを読みげ始めた。
『言う通りにしないなら、から仕事はゼロだ』
『おらみたいな底辺のは、俺の声でいつでも潰せるんだぞ』
『俺が仕事を回してわせてやっているんだ。文句を言うな』
その言葉が響き渡ると、志は膝から崩れ落ちるようになり、テーブルの端にしがみついた。
郎社は、信じられないものを見るような目で志を見ろしている。
私は子からゆっくりとちがり、志の目のまで歩み寄った。
「私が10、あなたから毎聞かされていた言葉と全く同じですね」
私の声は静かだったが、その奥には決して消えることのないたいりが込められていた。
「『俺がわせてやっている底辺の寄虫』『おには何の価値もない』」
私は志の震える背を見ろした。
「あなたはそうやって、自分よりいのを見つけては脅迫することでしか、自分を保てないだったのです」
志は顔面を蒼にし、ブルブルと震える唇で何かを言おうとした。
しかし、私の瞳の奥にある絶対な拒絶を見て、言葉をみ込んだ。
「あなたのエリートとしての誇りも、社令嬢との結婚という輝かしい未来も……」
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私はとどめを刺すように言った。
「全ては、あなたが『底辺』だと見した私の父が築きげ、私がオーナーとして引き継いだこのグループのおで成りっていたのよ」
私が事実を突きつけると、志はついに耐えきれなくなり、に膝をついた。
「み、希……!お願いだ、俺が悪かった……!」
彼は理のにいつくばり、私の元に向かって必にを伸ばしてきた。
「俺はただ、おにもっといい暮らしをさせたくて、つい魔が差したんだ!」
彼は涙声で懇願した。
「この類を破棄してくれ!頼む、俺を見捨てないでくれ!」
自らの保のためなら、今までの暴言などなかったかのようにすがりつく。
そのあまりにも浅ましい姿に、私ののの最の温すらも完全に凍りついた。
「触らないでください」
私が酷に歩ろへがると、郎社が発狂したように志の胸ぐらを掴みげた。
「貴様!暁グループのオーナーになんというの利き方をするんだ!」
郎社は顔を真っ赤にして鳴り、志を力任せにへ投げばした。
乾いた音が響き、志は無様な声をげてに転がった。
「おは会社のを横領した、グループのトップをらせてが社の命運を断ったんだぞ!」
郎社は志を蹴りばさんばかりの勢いだった。
「おのような詐欺師を次期社にしようとしていたなんて、私はどうかしていた!」
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郎社の言葉は、志の『社令嬢と結婚して次期社になる』という虚勢を完全に砕するものだった。
社というろ盾を失い、自分の嘘が全てのにさらされた志。
彼に残されたものは、言い逃れのできない証拠と、誰からも信用されない惨めな現実だけだった。
「しゃ、社!違います、私は会社のために……!」
志が泣きそうな声で弁解しようとするが、郎社は瞥もしなかった。
郎社は私に向かって々と座をし、震える声で懇願し始めた。
「希様、いや、オーナー様!どうか、どうかが社へのご慈を!」
彼はにを擦り付けた。
「こいつの横領は、会社として切らなかったことなのです!全額弁済させますので……!」
郎社は涙声で続けた。
「ですから、来期の契約更だけは……!」
私はにを擦り付ける社と、魂が抜けたように座り込む志を静かに見ろした。
彼らの会社の正をりながら、契約を継続することなどあり得ない。
私の父が命懸けで守り抜いたグループの資を、これ以1円とも寄虫に吸わせるわけにはいかないのだ。
私は京子さんに線を送り、最の制裁をすための準備に入った。
彼らが犯した罪の代償を、これから法と契約の力によって完璧に支払わせる。
逃げのない完全な破滅が、すぐそこまで迫っていた。
特別応接のには、2の男が惨めな姿で蹲っていた。