"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第30話
族を守るために、どれほど神経をすり減らしていたことだろう。
翌の曜。
1つない真っ青な、れの空だった。
私は直と美穂、そして番の陸の3を居に呼び集めた。
私が静かに尋ねた。
「今ね、これからみんなでパパとママのにこうとうの。けるかしら?」
3は顔を見わせた。
あのは、両親が帰ってこなくなったしい所であり、幸子という悪魔がで踏み荒らした恐ろしい所でもある。
子供たちにとって、を踏み入れるには勇気がいるはずだ。
しかし、男の直が弟と妹のをしっかりと握りしめ、まっすぐに私を見て頷いた。
「く。もう怖いたちは来ないんでしょう?」
直はし震えながらも、力く言った。
「だったら僕、パパとママのに帰りたい」
美穂もコクりと頷き、陸もさな声で言った。
「く」
あの怯えて泣くことしかできなかった子供たちが、確かなさを持ってを向こうとしている。
その成が、私は何よりも嬉しかった。
午10。
弁護士が運転するに乗り、私たちはあの懐かしいへと向かった。
窓から流れる見慣れた景を眺めながら、私の胸は静かな期待としの緊張で鳴っていた。
健とゆみは、あのに何を隠したのだろうか。
のに到着し、をりる。
玄関のドアをけると、4か締め切られていた特のし埃っぽい匂いがした。
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リビングは幸子たちが引きしを漁り、類を撒き散らしたのまま、無残に散らかっていた。
しかし今の私に恐怖や絶望はない。
この散らかりは、悪党どもが必に探し回っても本当の宝物を見つけられなかったという敗の証でしかないのだから。
弁護士に案内され、私たちが向かったのは台所の奥にあるさなパントリー、品庫だった。
「佐藤さん、こちらです」
には梅干しの壺や、買い置きのペットボトル料のダンボールがのように積まれていた。
弁護士は説した。
「実は、この収納の奥です。幸子さんたちは目に見えるタンスや引きしばかりを漁って、こんない荷物のまで探そうとはしなかったんですよ」
弁護士がダンボールをどかし、収納の扉をけた。
プラスチックの収納ケースを取りすと、さらにその奥、の暗がりのに、頑丈な製の箱が隠されるようにして置かれていた。
鍵穴には真鍮の具が取り付けられている。
私は震えるで、弁護士から預かったあのさな鍵を差し込んだ。
カチリと気良い音がして、鍵が回った。
ゆっくりと蓋をける。
には、5つの分い茶封筒が入っていた。
そしてその封筒の表きを見た瞬、私の目からこらえきれない涙が溢れした。
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『直へ』
『美穂へ』
『陸へ』
『子お母さんへ』
それは、健とゆみの見慣れた優しい跡だった。
あの偽造遺言にかれていたような嘘の文字ではない。
健特のしめに引かれたしんにょうの字。
そしてゆみの丸くて丁寧な字。
2が私たち11に宛てていた、最のだったのだ。
私がそれぞれの名がかれた封筒を渡す。
「直、美穂ちゃん、陸。パパとママからよ」
3はさなでそれを事そうに受け取った。
封筒をけ、を読み始めた子供たちの目から、粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。
直はを胸に抱きしめ、声をげて泣き崩れた。
『直、あなたは本当に優しいお兄ちゃんです。でも優しすぎるから、1でしすぎないかパパは配です。困ったは子おばあちゃんを頼りなさい。あなたは私たちの誇りです。パパ』
ずっと男として気を張り、弟や妹を守ろうと必に戦ってきた13歳ののが、父親の温かい言葉によってようやく解放されたのだ。
美穂もしゃくりげながら、の文字を指でなぞっている。
『ママがね、美穂の笑顔は太陽みたいだよ。ずっと笑っていてね』
陸はまだ漢字がうまく読めなかった。
「パパとママ、陸のこと好きだっていてある?」
私が優しく答えた。
「ええ、宇宙で1番好きだっていてあるわよ」
陸はしたようにに頬ずりをした。
私は最の1つ、『子お母さんへ』とかれた封筒をに取った。