"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第26話
「はっ、ハッタリだろう。んだ健が俺の裏の仕事を調べていただと?ふざけるな」
は自分を落ち着かせるように言った。
「あいつはただの真面目ぶった臆病者だ。俺に向かってくるような度胸なんてあるわけねえ」
弁護士は静に答えた。
「臆病者かどうか、これで確かめてみましょうか」
弁護士は背のスタッフからノートパソコンを受け取り、USBメモリを差し込んだ。
カチッというさな音が、静まり返った居にやけにきく響く。
画面にいくつものファイルが表示された。
弁護士はそのの1つをゆっくりとクリックした。
パソコンのスピーカーから流れたのは、ドスを効かせたの々しい声だった。
『だから言っただろうが。今に利息の200万を払えなけりゃ、あんたの娘の勤め先に宣を回すぞ。嫌なら、そのの権利にハンコを押せ』
それは違いなく、借を背負った齢者を脅し、無理やりを奪い取ろうとしている恐の現の録音だった。
の顔から、瞬にして血の気が引いた。
「な、あ……」
ギョロりとした目が泳ぎ、額から滝のように脂汗が吹きしている。
は震える声で尋ねた。
「ど、どうしてその音声が……」
弁護士は徹な声で次々とファイルをいていった。
「健が、あなたの被害に遭ったたちを密かに探しし、証言や録音データを集めていたからです」
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画面には、が反社会勢力の幹部とわれる男たちと級料亭で密会している写真。
そして、違法な利で貸し付けをった債務者たちの名簿と、裏帳簿のコピーが次々と映しされた。
そこには、ゆみの弟である田隆の名と、1000万円という額もはっきりと記されていた。
弁護士はを追い詰めた。
「さん、あなたがちげた産コンサルタント会社はただのダミーだ。裏ではヤクザの資源として違法な貸しとげをっていた」
弁護士は健のを称えた。
「健は会社を追いされたも全く反省していないあなたの悪を、2かけて1で追跡していたんです」
私はパソコンの画面を見つめながら、涙が溢れてくるのを止められなかった。
健は本当に優しい子だった。
しかしその優しさは、ただしいだけのさではなかったのだ。
自分の族を守るため、そしてのような悪に泣かされている見らぬ誰かを救うため。
あの子は誰にも言わず、たった1でこんな危険な調査を続けていたのだ。
どれほどの恐怖とプレッシャーを抱えていたことだろう。
弁護士はパソコンを閉じ、まっすぐにを見据えた。
「健さんは、私にこのUSBメモリを預ける、こう言っていました」
弁護士は親友の言葉を代弁した。
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「『もし俺のに何かあったら、迷わずこれを警察にしてくれ。は必ず俺の族や、ゆみの実を狙ってくる。そのはこれで、母さんや子供たちを守ってほしい』と」
その言葉を聞いて、私は両で顔を覆い、声を殺して泣いた。
健は自分がんだのことまで考えて、私たちを守るための盾を残してくれていたのだ。
35、夫がくなり私1で健を育ててきた。
その健が、今度は私と孫たちを、命がけで守ってくれた。
はブルブルと震えるでテーブルをバンと叩き、ちがった。
「ふざ、けるな!そんな証拠、でっちげだ!」
は必に否定した。
「弁護士が証拠を捏造したんだろう!俺は認めねえぞ!」
ヤクザのような凄みはすっかり消え失せ、そこにあるのは追い詰められた犯罪者の惨めな悪あがきだった。
弁護士は、まるで虫ケラを見るようなたい目でを見ろした。
「捏造かどうかは、警察と検察が判断することです」
弁護士は決定な言を放った。
「実は、このUSBメモリのデータは、1週にすでに警察の組織犯罪対策部、通称マル暴に提してあります」
弁護士は静に続けた。
「彼らはこの証拠を元に、あなたの会社と背の暴力団の繋がりについて、裏付け捜査を完全に終えているはずですよ」
は喉の奥でヒュッと息を吸い込み、そのまま言葉を失った。