"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第22話
「しかしこれを見れば、誰が偽造したかは目瞭然です」
弁護士は幸子の目のにノートを広げた。
それは、ゆみが密かにき綴っていた獄の記だった。
弁護士は記の内容を突きつけた。
「これは、ゆみさんがくなるの夜までいていた記です。ここには、あなたがゆみさんから無理やりおを奪い、鍵を求してを荒らした記録が全て克に記されています」
弁護士は最のページを指差した。
「そして、最のページを見てください」
弁護士が指差したその文を、幸子は震える目で追った。
『母が、私と健さんの命保険の受取を自分に変更するための類を偽造しているのを見てしまった』
「あ、ああ……」
幸子の喉から空気が漏れるようなけない音が鳴った。
弁護士は厳しい調で言った。
「ゆみさんは、あなたが保険の類を偽造している現をはっきりと目撃していたんです。そして自分たちのに危険が迫っていることを悟り、この記とあなたを録音した音声データを男の直君に託しました」
弁護士は証拠の確実性を説いた。
「この記の跡は、違いなくゆみさん本のものです。警察の跡鑑定にせば発で証されます」
弁護士の静かでい声が、居に響き渡る。
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私はゆみの無をらすように、じっと幸子を見据えていた。
弁護士は法責任を問うた。
「印私文偽造、そしてそれを使って保険を騙し取ろうとした詐欺未遂。どちらも派な犯罪です。警察はすでにこの記と録音データを証拠として受理し、捜査に向けてきしていますよ」
幸子はガタガタと震えし、隣に座る息子の腕にしがみついた。
「け、警察!?う、そ、そんなの嘘よ……私は娘のために……」
しかし、いつもは気な隆も、完全に顔面蒼になっていた。
犯罪、警察、詐欺。その言葉のさに、債務者である彼は誰よりも怯えていたのだ。
隆はあっさりと母親を裏切り、自分だけは助かろうと必に弁解を始めた。
「ま、待てよ!俺は関係ねえぞ!母ちゃんが勝にやったことだ!」
幸子は信じられないものを見るような目で隆を見た。
「隆!あんたなんてこと言うのよ!あんたの借を返すために私がどれだけ……」
隆は醜くわめき散らした。
「うるせえ!俺は保険のことなんからねえよ!」
醜い親子の責任の押し付けいが始まった。
私はその景を、ややかな目で見つめていた。
ゆみは、こんなたちのために自分の命をすり減らしていたのだ。
本当にでならない。
そのだった。
それまで黙ってや汗を流していた弁護士が、コホンと咳払いをしてちがった。
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はもっともらしい嘘をつき始めた。
「お話の途ですが、よろしいでしょうか?先、実は私、この田幸子という女から娘が自発にいた遺言と保険類があると騙されて、依頼を受けていたのですよ」
は急いで鞄に荷物を詰め込み始めた。
「まさか彼女が類を偽造するような犯罪者だとはにもわず。これは弁護士として完全な信頼関係の破壊です」
は逃げる実を作った。
「先……田さん、私はたった今、あなたの代理を辞任させていただきます。偽造などの犯罪為に加担するわけにはいきませんからね。それでは、私はこれで」
幸子がすがりつこうとした。
「待ちなさいよ!あんた、着で50万円も取ったじゃないの!返してよ!」
はそれを乱暴に振り払い、逃げるように玄関へと向かおうとした。
弁護士のく鋭い声が、の背をピタリと止めた。
「先、お待ちください」
弁護士はの罪を突きつけた。
「逃げられるとでもっているんですか?あなたが先ほど佐藤さんに突きつけた、あの偽の共同遺言。法に無効だとりながら、齢者を脅迫して財産を奪おうとした為は、弁護士法に確に違反しています」
弁護士は容赦なく言い放った。
「すでに、所属する弁護士会に懲戒請求をす準備をめています。
覚悟しておいてください」
の肩がビクンときくねた。
彼は何も言い返すことができず、顔を真っ赤にして逃げるようにからびしていった。