"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第17話
しかし、ここで偽物だと騒ぎててはいけない。
今それを指摘すれば、狡猾なのことだ。
き直したと言って、今度はしんにょうをくし、印鑑を傾けた、より完璧な偽造類を作り直してくるかもしれない。
こちらのの内は、最まで隠しておかなければならない。
私はわざと揺して、絶望したように震える声をした。
「こんなものを……私は信じません……」
私は顔を伏せた。
私のその態度を見て、は完全に私を見したようにで笑った。
「信じる信じないは関係ありません。これは法に効な文です」
は遺言を鞄にしまい、たい声で言い放った。
「庭裁判所に提されれば、あなたはすぐに親権を失いますよ。お孫さんたちのためにも、無駄な抵抗はやめることです」
は期限を宣告した。
「3、再びお伺いします。そのまでに、通帳と保険の証、そして子供たちの荷物をまとめておいてください」
は脅迫の言葉を付け加えた。
「もし抵抗すれば、この遺言を持って警察及びあなたを未成者誘拐で訴えますからね」
はそう言い残し、黒い級に乗ってっていった。
私はの柱にをつき、荒くなった呼吸をえた。
すぐにのへ入り、弁護士に話をかけた。
私は焦りながら状況を伝えた。
「先、今、という弁護士が来ました。
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健の自の遺言だというものを持ってきたんです」
私が事の顛末と、字の癖から偽造だと見破ったことを伝えると、弁護士は話の向こうで舌打ちをした。
「やはりがてきましたか。しかし佐藤さん、してください」
弁護士の声は落ち着いていた。
「あなたの見て通り、それは違いなく偽造です。それに法律に見ても、の言葉はただの脅しです」
弁護士は法な見解を説した。
「自証の遺言は、庭裁判所で『検認』という続きを経なければ、法な効力を持ちません。で突然親権が移るようなことは絶対にないんです」
弁護士はの狙いを暴いた。
「は、その続きの面倒さをっているからこそ、偽の遺言で佐藤さんを脅し、自発に財産と子供を引き渡させようとしているんですよ」
私はし堵した。
「そうだったんですか」
弁護士は警告した。
「ええ。相は焦っています。遺言まで偽造するということは、刻もく現をに入れたい裏の事がある証拠です」
弁護士は私に忠告した。
「佐藤さん、相は段を選ばなくなっています。どうか子供たちのの回りには、分気をつけてください」
弁護士のその忠告は、数、最悪の形で現実のものとなった。
約束の3の。
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夕方になっても、学の直が学から帰ってこなかったのだ。
いつもなら部活が終わればまっすぐに帰宅するはずの直を、携帯話に何度かけても「源が入っていない」というアナウンスが流れるだけだった。
私は居を往往し、美穂には鍵をかけてからないように言い含めた。
「どうしよう、直が帰ってこない」
胸の奥で嫌な予が渦を巻く。
警察に連絡すべきか迷っていたその、の固定話が鳴った。
私は慌てて受話器を取った。
「子さん、私よ」
話の主は田幸子だった。
私は叫ぶように尋ねた。
「幸子さん!直は……直はどこですか!?」
幸子は笑いながら答えた。
「あら、そんなに慌てて。直君なら今、駅の公園で隆と緒にジュースをんでるわよ」
幸子は悪びれずに続けた。
「しお話ししたいことがあったから、学の帰りにに乗せてあげたの」
私はりで声が震えた。
「あの子に指本でも触れたら、絶対に許しませんからね!」
幸子はで笑った。
「怖い怖い。だったら今すぐ1で公園に来なさい。通帳とハンコを持ってね。警察なんか呼んだら、直君がどうなるかわからないわよ」
話は方に切られた。
私は財布だけを掴み、サンダルのままをびした。
息を切らして駅の公園にり込むと、夕暮れの公園のベンチに直がうつむいて座らされているのが見えた。
その両脇には幸子と息子の隆がち、直を囲み込むようにしている。