"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第13話
「『母が類を偽造しているのを見てしまった』という本の直の記録は、裁判でも分に通用します。それに、消印が事故当の朝というのも、あまりにも自然です」
弁護士の目が鋭くった。
「佐藤さん、ここからは私の推測ですが……」
弁護士は声を潜めた。
「ゆみさんは事故のか々に、幸子が保険の類を偽造している現を目撃した。そして、このままでは自分たちの命すら危ないと直したのではないでしょうか」
私は言葉を失った。
「命が危ない……?」
弁護士は推論を続けた。
「田幸子が保険を急いでに入れる必があったとしたら。息子の借取りが迫っていたとか何らかの理由で。だから彼女は娘夫婦がぬことを望んだ。あるいは、誰かに頼んでそこまでって……」
弁護士は途で言葉を区切り、首を横に振った。
「いや、これは躍しすぎですね」
弁護士は静さを取り戻した。
「警察の実況見分では、対向の居眠り運転が原因という確な証拠がています。事故そのものは、本当に幸な偶然だったのでしょう」
弁護士は悔しそうに顔を歪めた。
「しかし、田幸子が娘夫婦のを『ラッキーだ』とっていることは違いありません」
その言葉に、私は吐き気を催した。
自分の娘がんでぶ親が、この世にいるなんて。
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弁護士は私をさせるように言った。
「佐藤さん、してください。私がすぐに保険会社に連絡を入れ、受取変更の無効を主張し、支払いの差し止め続きをいます」
弁護士は力く宣言した。
「これから庭裁判所には、佐藤さんを正式に未成者見として選任してもらう申してをします。あの親子には、1円たりとも渡しません」
弁護士の力い言葉に、私はくをげた。
「先、本当にありがとうございます。私1では、どうしていいかわからなくて」
弁護士は優しく微笑んだ。
「いいえ。健は私の親友です。あいつの遺した族を守るのは、私の義務ですから」
それに、と弁護士はふと何かをいしたように表を険しくした。
「田幸子が弁護士を雇っていると言っていた件ですが、当たりがあります」
弁護士は名を挙げた。
「おそらく、彼女が頼ったのはという男でしょう」
私は首を傾げた。
「ですか?」
聞き覚えのない名に、私は戸惑った。
弁護士は忌々しそうに言った。
「ええ。遺産相続のトラブルに首を突っ込んでは、引な法で相を丸め込み、法な報酬を取ることで名な悪徳弁護士です」
弁護士は顔をしかめた。
「田幸子のようなに汚いが裏で糸を引くには、うってつけの男ですよ」
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弁護士は忠告した。
「もしがてくるとなると、し厄介なことになります」
相もプロを雇ってきている。
ただの親族同士の言いいでは済まないのだと、私は改めて覚悟を決めた。
どんな汚いを使ってこようとも、絶対に負けるわけにはいかない。
私には、直が震えながら守り抜いてくれたこの証拠があるのだから。
弁護士はデスクの引きしから1枚のコピー用を取りした。
「それから佐藤さん、実はもう1つお伝えしなければならないことがあります」
弁護士は私を見つめた。
「田幸子と息子の隆について、私の伝を使ってし辺を調べさせてもらったんです」
弁護士は静かに説した。
「彼女たちがどれほどの借を抱えているのかを把握するためにね。そうしたら、妙な事実が浮かびがってきまして」
弁護士はそのを私のに静かに置いた。
「妙な事実……?」
それは、どこかの企業の法登記簿のコピーのようだった。
弁護士は指で部を指し示した。
「田幸子はただの借まみれの主婦ではありませんでした。彼女は数から、ある怪しげな産会社の役員に名を連ねているんです」
弁護士は声を落とした。
「そして、その会社の代表者の名を見てください」
私は目を細め、弁護士が指差した箇所を読んだ。
そこには、『代表取締役 浩司』と記されていた。
私は戸惑いながら尋ねた。
「浩司……じげない方ですが」