"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第12話
私は帳のことを伝えた。
「昨見つけたゆみさんの記にも、『母が類を偽造しているのを見てしまった』といてありました。幸子さんが勝に……」
弁護士の声が裏返った。
「その記、本当ですか!?」
私は力く頷くように言った。
「ええ。それに、幸子さんがゆみさんを脅しておや鍵を求している音声が入ったICレコーダーもあります」
私は直のことを話した。
「番の孫の直が、ゆみさんから預かってずっと隠し持っていたんです。の権利や通帳も全て、直が命がけで守り抜いてくれました」
私がそう伝えると、話の向こうで弁護士がく息を吐きす音が聞こえた。
弁護士はしたような声で言った。
「健もゆみさんも、本当に良い子を育てましたね、佐藤さん」
弁護士は指示をした。
「その証拠式を持って、の午、私の事務所に来ていただけますか?」
弁護士は力く宣言した。
「もう相の方を待っているではありません。こちらから法な続きを踏んで、相のきを完全に封じ込めましょう」
私はしっかりと返事をした。
「わかりました。必ず伺います。よろしくお願いします」
話を切り、私はく息を吸い込んだ。
恐怖はもうなかった。
胸の奥で静かに燃えがっていたりが、たく鋭い刃のように研ぎ澄まされていくのをじた。
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悪魔には、決してけをかけてはいけないのだ。
翌の午。
私は孫たちが学から帰ってくるに、を乗り継いで都内にある弁護士の事務所を訪れた。
弁護士は厳しい表で迎えてくれた。
「佐藤さん、よく来てくださいましたね。どうぞおかけください」
応接に通されると、私はテーブルのにあの茶封筒、ゆみの古い学ノート、そしてICレコーダーを慎に置いた。
弁護士は袋をはめ、1つ1つの証拠をい入るように確認していった。
特にゆみの記を読んでいるは、彼の眉のシワがどんどんくなり、唇がりで震えているのが分かった。
弁護士は痛ましそうに顔を歪めた。
「ひどい……これは完全な恐です」
弁護士は記をそっとテーブルに戻した。
「娘をATMか何かと勘違いしている。借の肩代わり、無断での鍵求。そして極めつけは、保険の続き偽造。佐藤さん、ゆみさんは本当にギリギリのところで戦っていたんですね」
私は昨の来事を報告した。
「先、幸子さんは昨の朝うちに乗り込んできて、未成者見の同に判を押せと脅してきました」
私は幸子の狙いを伝えた。
「孫たちを引き取って、この子たちの財産を管理するつもりなんだといます」
弁護士は腕を組み、徹な目で状況を分析し始めた。
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「なるほど、そういうことですか。狙いは確ですね」
弁護士は推測を述べた。
「田幸子という女性は、相当おに困っているはずです。息子の隆という男も、おそらく債務者でしょう」
弁護士は鋭い目を向けた。
「彼女たちが狙っているのは、健さんの保険と、交通事故の加害者側から支払われるであろう額な賠償。そして、あののと建物です」
ここまで気にに入れようとしていたのかと、私は背筋が寒くなった。
もし私が折れて同に判を押していれば、数千万円というおがあの親子の遊興費や借返済に消え、孫たちは文無しで放りされていたのだ。
私はをにした。
「しかし、保険の受取変更についてですが……」
弁護士は元のメモに線を落とした。
「保険会社は、類の跡や印鑑が揃っていれば、続きをめてしまうことがあります」
弁護士は偽造のを説した。
「田幸子はゆみさんの実の母親ですから、ゆみさんの実印の所をっていたか、あるいは勝に持ちして押した能性がい。跡も親子であれば、似せてくことは容易です」
私は焦って尋ねた。
「じゃあ、このままでは保険は幸子さんに支払われてしまうんですか?」
弁護士は力く首を振った。
「いいえ。
この記という力な証拠があります」
弁護士は記を指差した。