"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第8話
私がそっちにきます」
幸子は方に宣言した。
「孫たちの親権についても、ちゃんと話しわなきゃいけませんしね」
幸子は酷な声で締めくくった。
「あなたみたいな寄りに、あの子たちの将来は任せておけませんから!」
幸子はそれだけを方にまくしてると、ガチャンと乱暴に話を切った。
ツーツーという子音が、たい部に響く。
私は受話器をゆっくりと置き、2階へと急いだ。
直の部に戻ると、彼はまだ部の隅で膝を抱えていた。
私は優しく声をかけた。
「もう丈夫よ、話は切れたから」
直はほっと息を吐き、張り詰めていた糸が切れたようにポロポロと涙をこぼし始めた。
直は泣きながら謝った。
「おばあちゃん、ごめんなさい。僕、ずっと黙ってた」
私は直を抱きしめた。
「謝らなくていいのよ」
私は直のを撫でた。
「1で怖いいをして、ずっとしていたのね。偉かったわね」
私が隣に座り、背を撫でてやる。
直はしゃくりげながら、ずっと放さなかった黒いリュックサックのファスナーにをかけた。
ジッパーがく音が、やけにきく聞こえた。
直は涙声で言った。
「これ、ママに頼まれてたんだ」
直が震えるでリュックのから取りしたのは、分い茶封筒だった。
私はそれを受け取り、を確認して息を呑んだ。
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ここには、私が今健たちので必に探しても見つからなかったもの全てが入っていたのだ。
健とゆみの預通帳、の権利、命保険の証、そして実印。
さらに、見覚えのない1冊の古い学ノートがあった。
直は涙を拭いながら説した。
「ママ、お葬式の何かに僕に言ったんだ」
直は母親の言葉を繰り返した。
「『もしママたちに何かあったら、このリュックを持ってすぐにかず子おばあちゃんのに逃げなさい。絶対に向こうのおばあちゃん、幸子さんには渡しちゃダメよ』って」
まだ学1の直に、そんない荷物を背負わせていたゆみの絶望のさをい、私は胸が張り裂けそうになった。
幸子はあの子ので、ゆみから財産を奪おうとしていたのだ。
そしてゆみは、自分たちに万がのことがあった、子供たちの未来を守るために、1番信用できる男の直に全てを託したのだ。
私は直の肩を抱いた。
「直、よく守り抜いてくれたわね。本当にありがとう」
私は力く言った。
「もう全部おばあちゃんが預かるから、していいのよ」
私がそう言うと、直は私の胸に顔を埋め、声をげて泣きじゃくった。
弟や妹のでは決して泣かなかった。
13歳のさな体がいかに無理をしていたかが伝わってきて、私も緒になって涙を流した。
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直が落ち着いて眠りについた、私は1階の居に戻り、温かいお茶を入れた。
テーブルのに、あの茶封筒のを広げた。
まず確認したのは、健とゆみの預通帳だった。
ページをめくっていくと、計をやりくりしていたゆみの堅実な性格が伝わってくるように、細かく記帳がされていた。
しかし、ここ数かの履歴を見て私のは止まった。
自然なほどの額な引きしが、何度も繰り返されていたのだ。
10万円、30万円。
そして事故の2週には、気に100万円が引きされている。
これでは、子供たちの学費のための貯など、あっというに底をついてしまう。
私は震えるで、茶封筒に入っていた古い学ノートをに取った。
表には何もかれていないが、ページをくと、ゆみの几帳面な字がびっしりと並んでいた。
それは計簿のようでありながら、ゆみが密かにき綴った獄の記だった。
『410。また母から話。弟の借の肩代わりをしろと言われた。断ると、健さんの会社に鳴り込むと脅された。仕方なく30万円を渡す』
『52。母が突然にやってきた。鍵を渡せと1も玄関で騒がれた。所の目があって恥ずかしく、怖かった。直が怯えて泣いていた』
『515。100万円を引きして母に渡した。これで最にして欲しいと座して頼んだが、母は笑っていた。
もう限界だ。子お義母さんに相談したいけれど、これ以配はかけられない』