"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第3話
私はそれが、両親のをいすからだとっていた。
だが、事実は違っていたのだ。
あるの午、弁護士から連絡があり、がを訪ねてきた。
弁護士はテーブルのに静かに2つの鍵を置いた。
「佐藤さん、これ健さんたちのの鍵です」
弁護士は私を見て、静かに説した。
「警察での調査も完全に終わり、に入っても問題ないとのことでしたのでお持ちしました」
私は鍵をに取りながら答えた。
「ありがとうございます」
私はほっとした表を浮かべた。
「4かも放置してしまっていたので、1度掃除に入らなければとっていました」
私は子供たちの顔をい浮かべた。
「子供たちの物のやアルバムなども持ってきてやりたいですし」
しかし、弁護士の表はどこか曇っていた。
弁護士は配そうに私を見た。
「あの佐藤さん、のため私が同しましょうか?」
私は微笑んで首を振った。
「いえ、いいえ、丈夫ですよ」
私は弁護士を気遣って言った。
「先もお忙しいでしょうし、私1で片付けてきますから」
弁護士はし迷うような顔をした。
「そうですか。もし何か変わったことがあれば、すぐにご連絡ください」
そのの私は、弁護士の言葉の真に全く気づいていなかった。
翌、孫たちを学へ送りした、私は1で息子夫婦のへと向かった。
広告
で30分ほどの距にある、閑静な宅に建つ軒。
健が30歳のに、族のために無理をして買った願のマイホームだった。
のに着くと、庭の雑は伸び放題になっていた。
ポストにはチラシが溢れ返っている。
それを見ただけで、私の胸が締めつけられるようなしみが蘇ってきた。
もうこのから、ゆみのるい笑い声や健の「ただいま」という声が聞こえることはないのだ。
私は呼吸をして、鍵穴に鍵を差し込んだ。
ガチャリとい音がして、ドアがいた。
4か締め切られていたのの空気は淀んでいて、カビのような匂いがをついた。
私は誰もいない玄関に向かってさく呟いた。
「ごめんね、遅くなって」
私は靴を脱いで、廊へとがった。
リビングのドアのノブにをかけ、ゆっくりと押しける。
その瞬、私の目にび込んできた景に、全の血の気が引いた。
私はそのにち尽くし、声にならない鳴をあげた。
「嘘でしょう……」
ガタガタと膝が震え、っていることすら困難になった。
リビングのには、信じられないものが散乱していたのだ。
そして私は、このがただ空きになっていたわけではないことに気がついた。
何者かによって、何かを必に探された形跡があるのだ。
棒に入られたのだろうか。
広告
リビングの惨状をにして、私のには真っ先に空き巣という言葉が浮かんだ。
テレビ台の引きしは全て引き抜かれている。
に入っていた保証や説が、に散乱していた。
棚に飾られていた族写真の派な額が倒され、ガラスが々に割れていた。
奥のの襖は乱暴にけ放たれている。
押入れのの布団や装ケースが、まるでを改めるように無残に引っ張りされていた。
普通のなら、ここでパニックになり、すぐに警察に話をしているだろう。
しかし、私はそのにち尽くしたまま、議なほど静に部の状況を観察していた。
鳴をげることも、腰を抜かすこともなかった。
なぜなら私は、これまでの65ので、もっと過酷でもっと絶望な状況を何度も歯をいしばって乗り越えてきたからだ。
私の夫が病気で界したのは、今から35ものことだ。
そのの健はまだ5歳だった。
働き盛りだった夫を突然失い、私に残されたのは幼い息子と夫の両親だった。
つまり、私にとっての義理の両親の介護というい字架だけだった。
義父は夫のすぐに認症を患い、義母は腰がく寝たきりになった。
私は昼は所のスーパーでパートとして働き、夜は内職をして計を支えた。
2の介護を、私は1で背負ったのだ。
当の義母は息子をくしたしみからか、私に対してひどくたく当たった。