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"1800円の御膳が1万8000円になった日――覆面社長が見つけたホテルの嘘" 第14話

1万8000円の記者会見

翌朝10、本社の会見にはテレビカメラが並び、記者席の机がほとんど埋まっていた。

私は野、榊原とともに壇がり、最初にげた。フラッシュが何度もり、乾いたシャッター音が途切れなく続く。

「当社のホテルで、お客様へ表示価格をきく回る額を請求し、苦を削除していた疑いが判しました。3も異常を見抜けなかったことを、よりお詫び申しげます」

顔をげた私は、2枚の類をカメラへ示した。同じ料理、同じ刻でありながら、方は1800円、もう方は1万8000円。齢の客には3000円の料理を3万円で請求していた。

の空気が変わった。抽象な「適切会計」ではなく、10倍にき換えられた数字が映しされると、記者たちの斉にき始めた。

私は、削除されたアンケートが503件、そのうち現点で請求を確認できた取引が486件、当な差額が837万6000円にると説した。会社は486件すべてへ連絡し、差額を全額返する。連絡先を確認できない17件についても、専用窓で申しを受ける。

「社は特別席料を承認したのですか」

列の記者が質問した。

型画面に、匿名で送られた承認を表示する。私は承認していないこと、正式な決裁記録がしないこと、PDFが作成された痕跡や支配から様式集へアクセスした履歴があることを説した。

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ただし、会社だけで偽造と決めつけず、原本データを警察へ提したとも付け加えた。

次に、藤堂が差しした500万円の封筒と録音について公表した。会見に、〈今見聞きしたことを報告からしてくれれば、全部あなたのものです〉という声が流れる。

藤堂の言葉が終わった瞬内からざわめきが消えた。

「なぜ、そので警察へ突きさなかったのですか」

「疑われた全員をだけで犯にせず、証拠を保し、別々に確認するためです。私たちは2週から県警へ相談していました」

別の記者が、なぜ社自ら般客の姿でへ入ったのかと尋ねた。

「通常の監査では、正しい帳簿と丁寧な接客しか見せなかったからです。私が名乗れば1800円へ戻されたでしょう。しかし、名乗れない客は3万円を払わされていた。経営者へ見せる顔ではなく、反論しにくい客へ向けた顔を確認する必がありました」

方で、記者の1がゆっくりペンを置いた。派な言葉より、澄が孫の自転代を差しした事実の方が、事件のたさを伝えていた。

辞任を問う声にも、私は同じ姿勢で答えた。会社をて直し、被害者へ返すべきものを返したうえで、役員会と株主の判断を受ける。自分の席を守るために、現の3だけを切って終わらせるつもりはない。

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に、会見への席を断った澄から預かったい言葉を読みげた。

〈おが戻ることより、私が悪い客ではなかったと分かったことにしました。同じいをしたが、もう自分を責めなくて済むようにしてください〉

読み終えると、元のがわずかに震えていた。私はそれを隠さず、もうげた。

会見、返には話とメールが相次いだ。には領収を捨てたもいたが、会員記録、予約履歴、POS、井のノートを組みわせれば確認できるケースがある。

、県警の担当者から野へ連絡が入った。令状に基づく調査と関係者の資料提によって、青葉クリーンサービスの座記録が確認できたという。

ホテルから振り込まれた1260万円は、作業員への与にも、清掃資材にも使われていなかった。

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