"離婚したら140万円の請求が来た" 第3話
寝へき、スーツケースを取りした。
何枚かの。
母子帳。
通帳。
印鑑。
個名義の類。
必なものだけを詰めていくと、7暮らしたなのに、自分のものと呼べる物が驚くほどないことに気づいた。
スーツケースを引いてリビングへ戻ると、彩子さんは残った唐揚げをべていた。健太はコーラの缶を抱え、義母は汁物をすすり、勇気はソファに座っていた。
誰も私を止めなかった。
玄関で靴を履きながら、私は彩子さんを振り返った。
「彩子さん、に言いましたよね。いつか私が悔するって」
彼女はで笑った。
「するでしょうね。今までみたいにおをしてくれるがいなくなるんだから」
私は何も答えず、ドアを閉めた。
エレベーターに乗ったところで、初めて両が震えていることに気づいた。
1階へりてタクシーを呼び、その内で福岡きの最終便を予約した。
そして勇気へメッセージを送った。
婚届を準備して送ってください。はいりません。子供は私が育てます。
すぐに返事が届いた。
分かった。
その2文字を見た、胸の奥が議なほどえた。
私は続けて、もう1通送った。
そういえば、健太の塾代が今は140万円くになるそうですね。今まで私が払ってきましたが、これからはあなたが払ってください。
3分。
勇気から話がかかってきた。
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私はなかった。
次に届いたメッセージには、
どういうだ?
とかれていた。
私は画面を消し、座席へを預けた。
窓ので京の灯がろへ流れていく。
そのになって、ようやく涙がた。
未練ではなかった。
7、私が庭だとって守ろうとしてきたものは、実際には私1の忍耐だけでかろうじて形を保っていた所だった。
私が耐えるのをやめた瞬、そこからていくのも私だった。
福岡空港へ着いたのは、真夜くだった。
がりの空港のはひんやりしていて、湿った空気にの匂いが混じっていた。
到着ロビーへると、すりの向こうに両親がっていた。
母は古い茶のコートを着て、バッグの持ちを固く握っていた。父の背は相変わらず真っすぐだったが、最に会ったより髪が増えていた。
私を見つけると、母が駆け寄ってきた。
線がスーツケースから私の青い顔へ移り、最にお腹の辺りで止まった。
母はすぐには何も聞かなかった。
ただ震えるで私の頬に触れた。
「お帰り、さやか」
その言だけで泣き崩れそうになった。
7、嫁はするものだと何度も言われた。
庭を守れ。
夫をてろ。
義母を切にしろ。
私はいつしか、自分にも帰る所があることを忘れていた。
父が黙ってスーツケースを受け取った。
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「に乗ろう。夜も遅い」
へ乗り込むと、見慣れた福岡の並みが窓のを流れていった。
代からあったさなスーパー。
のラーメン。
昔から変わらない板。
京で7暮らした私には、それらがい昔の景のように見えた。
母が隣から何度かこちらを見た。
しばらくして、ようやく私のを握った。
「勇気さんと喧嘩したの?」
私はし黙ってから答えた。
「お母さん。私、婚します」
母のに力が入った。
運転していた父の肩も、ほんのしいた。
私はそのまま続けた。
「それから、妊娠しました。2かです」
内にはワイパーの音だけが響いた。
「この子、産みます。勇気さんが望まなくても、私が育てます」
母は窓のを向き、目元をで拭った。
父はし速度を落とした。
「帰ってきたなら、それでいい」
い声だった。
「残りは族で緒に考えればいい」
私は俯いた。
両親には責められるとっていた。
結婚に反対したのに聞かなかった。
自分で選んだのだから責任を取れ。
そう言われても仕方がないと覚悟していた。
けれど、父も母も言も責めなかった。
へ着くと、母は昔使っていた私の部へ案内してくれた。
淡い柄のカーテン。
窓際の机。
学代に読んでいた本。
ほとんど何も変わっていなかった。
ベッドにはしい布団が敷かれ、机には温かいみ物が置かれていた。
母はドアのでち止まった。
「お呂に入って寝なさい。泣きたいなら泣けばいい。